徳山デッキが本格オープン スーパーにぎわう JR駅前の「大改造」一区切り

オープンした業務スーパー。入店待ちの買い物客が大勢並んだ

 山口県周南市のJR徳山駅前に整備された、商業棟やホテルの複合施設「徳山デッキ」が18日、本格オープンした。中核店舗の食品スーパー「業務スーパー」は初日からにぎわった。駅舎の橋上化や駅ビル新築など、官民が駅周辺で断続的に進めた10年来の「大改造」はこれで一区切り。利用客を呼び込み、周辺の商店街も巡ってもらう流れを生み出せるかが市街地活性化の鍵となる。

 商業棟D2にできた業務スーパーには、午前10時の開店前から約100人が列を作った。先頭の同市の無職男性(64)は1時間半前に到着。「駅前の栄えた時も寂しい時も見てきた。新しい施設で明るさを感じる」と期待。約1240平方メートルの店は開店と同時に買い物客で埋まった。

 売り場には冷凍食品や大容量品が並ぶ。地元業者の精肉や鮮魚、果物・野菜コーナーに、100円ショップもある。店長(57)は「中心市街地はスーパーがなく、要望が多かった。他のテナントと協力して施設の魅力を高めたい」。にぎわいぶりに目を細めた。

 徳山商工会議所やオフィスが入る駅前棟D1やホテル棟D3、駐車場棟で構成する徳山デッキ。飲食や美容院、スイーツやアパレルなど現時点で20店が営業する。区画に空きがあり、店舗はさらに増える見通しだ。

 同市の「陸の玄関口」である駅周辺はこの10年余り、施設などの解体や新築が続いてきた。2014年9月、駅の南北自由通路と橋上駅舎が誕生。18年2月に駅ビル「市徳山駅前賑(にぎ)わい交流施設」ができた。19年11月には北口駅前広場が一新された。今回、再開発組合が商店街を解体して約1・2ヘクタールに整備した徳山デッキが加わった。

 スターバックスコーヒーが入る駅ビルは若者や出張客で連日にぎわう。解体前のみなみ銀座商店街で生まれ育った再開発組合の小野嘉久理事長(54)は「新しくなった駅には、若い人が多く来ている。商店街の人たちとも話をし、活気が地域に波及するイベントや仕掛けを考えたい」と意欲を見せた。

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