国が書店振興 持続可能な将来像とは

17日、書店経営者などとの意見交換のため、都内の書店を訪れた斎藤経済産業相。

斎藤経産相「全国の4分の1の市町村では本屋が一軒もない。何かやれることがあるんじゃないかと」

金高堂書店(高知)・亥角政春社長「問題となるのが、これからの物流コストの増大というようなところ」

啓林堂書店(奈良)・林田幸一社長「書店数の減少・縮小に歯止めがかからず、エコシステムそのものが崩れてしまうような可能性があるのでは」

ネット書店の台頭などにより、存続の危機に直面している町の書店。

経産省は3月、大臣直属の「書店振興プロジェクトチーム」を設置し、課題解決への一歩を踏み出した。

こうした中、小さなICタグに、大きな期待が寄せられている。

町の書店の減少問題を解決する技術の一つが、RFIDタグ。

RFIDダグとは、出荷や在庫の状況が書き込まれたICチップの情報を、ワイヤレスで読み取る技術。

RFIDタグを、本に「しおり」のような形で挟み込めば、コンテナにはいったままでも、瞬時に情報を読み取ることができる。

一冊ずつバーコードを読み込む従来の方法に比べ、棚卸し業務は30倍から50倍のスピードで行うことができるといいます。

さらに書店の経営を圧迫する万引き。会計処理を行っていないRFIDタグは、防犯ゲートが反応するため、万引き防止にも有効。

大手商社の丸紅や、講談社・小学館・集英社などが設立した「PubteX」は、このRFIDタグの活用で、書店や出版業界の業務効率化を支援している。

PubteX・永井直彦社長「書店さんは、小売店に比べ商品数が非常に多く、業務が煩雑でなかなか自動・機械化が進まない。このRFIDを早急に普及させて、書店さんをサポートできればと考えています」

現在は実証実験の段階だが、2025年からの本格運用を目指している。

© FNNプライムオンライン