【ベトナム】ロンチャウ薬局、投資拡大に資金調達へ[医薬]

ロンチャウ薬局は今年、400店を追加でオープンする=23年12月、ハノイ

ベトナムのIT最大手FPTの小売り関連会社FPTデジタルリテール(FPTリテール)は17日、ドラッグストアの国内最大チェーン「ロンチャウ薬局」を運営する子会社が第三者割当増資を実施する計画を明らかにした。発行済み株式の最大10%程度の新株を発行し、調達資金を新規投資に充てる。ネットメディア「カフェF」が報じた。

FPTリテールのグエン・バック・ディエップ会長が株主総会で明かした。

FPTリテールはIT機器小売店「FPTショップ」を展開してきたが、2017年に新規事業として薬局チェーンに進出し、店舗網を急速に広げた。24年は400店増の1,900店に広げ、2桁の増収を図る。

ディエップ氏が力を入れているのが予防医療分野で、24年にワクチンセンターを100カ所新設する方針だ。高齢者の健康状態を遠隔で常時把握し、診療できるサービス「247在宅医療サービス」も近く開始する計画だ。

増資で調達した資金は店舗網の拡大やワクチンセンター整備、在宅医療サービスへの投資に充てるとみられる。

FPTリテールの23年の税引き前損益は2,940億ドン(約1,160万米ドル、17億8,300万円)の赤字だったが、24年は1,250億ドンの黒字を目指す。売上高は前年比17%増の37兆3,000億ドンを目標とする。23年はIT製品の需要の落ち込みでFPTショップ事業の業績が悪化し赤字決算となったが、不採算店舗の閉鎖や既存店舗の業務効率化で立て直しを図る。24年の同事業の売り上げは前年並みを見込む。

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