バドミントン桃田が語った胸の内「日本代表の10年間は誇らしいものになったと思う」競技への心境の変化とは

 支えてくれた人たちに感謝する桃田賢斗(撮影・吉澤敬太)

 バドミントン男子シングルスの元世界王者で、数々の功績を残してきた元世界ランク1位の桃田賢斗(29)=NTT東日本=が18日、都内で会見を行い、団体世界一を決める国・地域別対抗戦のトマス杯(27日開幕、中国・成都)をもって代表を引退することを発表した。金メダル候補と期待された東京五輪を前に、遠征先のマレーシアで不慮の交通事故に巻き込まれた悲劇のエース。「何で自分なんだろうと思った」と胸の内を明かしつつ、引退の理由を語った。競技活動は継続する。

 以下、桃田との一問一答。

  ◇  ◇

 -リオデジャネイロ五輪出場を、違法賭博問題で出場停止処分を受けて逃し、17年に再起した。競技に対する心境の変化はあったか。

 「勝つだけじゃなく、周りの人から愛されるような選手になりたいと思った。達成できたかは分からないけど、日本代表の10年間は誇らしいものになったと思う」

 -一番印象に残っている試合と、その理由。

 「18年のジャパン・オープン。出場停止処分から復帰して『応援されないんじゃないか』という気持ちがあったけど、いざコートに立つとたくさんの人に応援してもらえた。いつも以上の力を出すことができたことを覚えている。国際大会で結果を出すことが僕なりの恩返し。それを形にできたことがうれしかった」

 -トマス杯への意気込み。

 「集大成。貪欲にコートの中を動き回りたい」

 -今後の活動について。

 「自分が動けるうちに、バドミントンをしている方々と、もっと羽根を打つ時間がほしいと思った。スポーツの楽しさを感じてもらえる活動をしていきたい」

 -今後競技以外で挑戦したいことは。

 「自動車の免許を持っていないので、時間ができたら免許を取って車に乗りたい」

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