【巨人】開幕から好調の菅野智之 チームスタッフが証言する〝新生・菅野〟の変化

3勝目はお預けとなったが菅野は1失点と好投した

巨人は18日の阪神戦(甲子園)で延長10回の末、1―2でサヨナラ負け。守護神・大勢が無死満塁から佐藤輝に痛恨の決勝打を浴びた。

それでも敵地の先発マウンドでは菅野智之投手(34)が7回1/3を112球、6安打1失点で好投。今季3戦目で初失点を喫したものの、防御率0・44と現在も開幕から調子の良さを堅持し続けている。

試合後は「最初はちょっとマウンドにアジャストできなくて苦しんだ部分もありましたけど。途中4回ぐらいからだいぶ落ち着いて、自分の投げたいボールを投げられた」と振り返った。阿部監督もベテラン右腕の力投を「すごく頑張っていた。1失点だし、何も文句は言えない」とたたえた。

3勝目こそお預けになったとはいえ、ここまで無傷の2勝をマーク。4勝8敗に終わった昨季とは打って変わって完全復活を果たしそうな勢いだが、その変貌ぶりは内面にも表れている。

チームスタッフは〝新生・菅野〟について「去年まで登板当日はピリピリしていたけど、今日も宿舎でのミーティングに小林と一緒に笑顔で参加していた。それだけ状態がいいということでしょう」と明かす。後輩投手の1人も「練習中も菅野さんがいろいろとイジってきてくれるので、すごく雰囲気がいい」と証言した。

2017、18年に2年連続で沢村賞を獲得し、名実ともに日本球界の最高峰レベルへと上り詰めた。その一方でチーム内では昨季まで選手会長を務め自分に厳しい姿勢を向けつつ、周囲にもピリついた緊張感を常に漂わせていた。

だが今季からは選手会長を大城卓、開幕投手の大役も戸郷に譲った。重責から解放され、投球だけに集中できるようになったことも大きなプラス要素につながっているのかもしれない。

「ストレスのない1週間を送れている」とも語っている菅野。プロ12年目の今季は円熟味を大いに発揮しそうだ。

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