クルーズで全国から能登半島被災地へエール 全国クルーズ活性化会議、神戸港から発信

クルーズ船「ウエステルダム」での記者会見<2024年4月15日 神戸港>

全国146の港・自治体で構成する「全国クルーズ活性化会議」(会長・久元喜造 神戸市長)が主体となる取り組み “クルーズdeツナグ・プロジェクト”がスタートし、能登半島地震の被災地支援を行う。

【画像】「クルーズdeツナグ・プロジェクト」神戸から能登半島支援

この会議は、クルーズの振興を通じて地域活性化や日本人クルーズ旅客の増加、クルーズ文化の醸成を目指し、“官民一体”でのクルーズ支援を展開する。そして、クルーズにより旅客と寄港地の人々、港と港、日本と世界をつなぐという思いを込め、「クルーズdeツナグ・プロジェクト」を実施している。
世界のクルーズ人口は、新型コロナウイルス感染拡大前では3千万人規模だった。このうち、アジアでは370万人、日本では35万人程度にすぎず、拡大の余地があるという。

こうしたことから、”クルーズdeツナグ・プロジェクト”によって、日本のクルーズ市場を盛り上げ、2027年にはクルーズ人口50万人を目指している。

こうした中、全国55の港(神戸港、横浜港、名古屋港、広島港など)とクルーズ関係者が一体となり全国から能登半島被災地へエールを送る。

4月15日、神戸港に停泊中のクルーズ船「ウエステルダム」(※オランダ船籍 / ホーランド・アメリカ・ラインが運航)の船内で久元市長らが会見し、全国から能登半島地震被災地へ届けるエールの内容を発表した。

具体的には、▼クルーズターミナルや観光案内所での北陸4県の動画の放映や、特設ブースでのPRや募金などの実施

▼北陸へ向かうクルーズ船「ウエステルダム」が 神戸港出港後に応援メッセージを記した手紙を石川県金沢港(4月21日寄港予定)に届ける

▼「ウエステルダム」で被災地への応援メッセージを記したラットガード(※)を贈呈し、今後、「ウエステルダム」が寄港する世界の港で被災地応援メッセージを発信する というもの。

会議ではクルーズ商品の紹介や、市民船内見学会といった、クルーズの魅力を伝え、クルーズを身近に感じてもらうリレーシンポジウムを、全国各地で今年(2024年)2月から開催している。
これは、神戸港をはじめ横浜港、名古屋港など17港でのべ20回開催する予定。

神戸港では、リレーシンポジウムの一環として、この日「ウエステルダム」で40人が船内見学した。

久元市長は会見で、クルーズによる能登半島被災地の応援として、大阪大学の赤井伸郎教授(公共経済学)が中心となった「スマート・クルーズアカデミー」(大学生の洋上での人材育成教育プログラム)と全国クルーズ活性化会議が連携し、6月12日から研修クルーズを実施することを明かした。

また、8月には、神戸ポートターミナルで市民がクルーズに親しめるイベント「客船フェスタ」も企画、「こうした取り組みを、阪神・淡路大震災の被災地神戸から発信することで、北陸への観光や地元産品の購入など、全国の方々の思いが届くことを願っている」と抱負を語った。

※クルーズ船「ウエステルダム」は4月13日に横浜港を出港、神戸、高知、関門海峡、博多から日本海へ抜け、ソクチョ(韓国)、金沢、青森、函館を経由して4月27日に横浜港へ帰港予定(天候により変更の可能性もある)

※ラットガード~船舶が港に停泊する際、係留索(ロープ)からネズミの侵入を防止する器具

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