豊後水道地震/官民で緊急対応に奔走、関係機関が対策本部設置し情報収集

17日午後11時14分ころに発生した豊後水道を震源とするマグニチュード6・6(暫定値)の地震で、国や地方自治体、インフラ管理者らの対応が続いている。国土交通省は同日の大臣指示に続き、18日午前1時半に特定災害対策本部会議を開いた。本省や四国地方整備局などが非常体制を敷き、被害確認などを行っている。愛媛県や高知県なども対策本部を立ち上げ緊急活動を行っている。
愛媛県と高知県では震度6弱の揺れが観測された。岸田文雄首相は18日未明に官邸に入り報告を受けた後、「夜間でもあり、安全第一で行動していただきたい。余震にも注意し、行動してほしい」と記者団に話した。現地からは土砂崩れや建築物の損傷、水道インフラの被害などの報告があり、一部の補助国道が通行止めとなった。高知県宿毛市などで目立った水道被害は復旧が進みつつある。
発災以降、国交省は四国の8市5町、九州の2市とホットラインを構築。18日中に30人のテックフォース(緊急災害対策派遣隊)を派遣した。1日に本省に設置された上下水道審議官グループなど関係部局が四国、九州の両整備局を通じた県への情報提供などに努めている。2県2市1町には9人のリエゾン(現地情報連絡員)を出した。防災ヘリ、移動型衛星通信車(Car-SAT)なども駆使しインフラの被害確認を急いでいる。
全国建設業協会(奥村太加典会長)傘下の愛媛県建設業協会(井原伸会長)や、高知県建設業協会(國藤浩史会長)は発災直後から対応を開始した。愛媛建協は各支部が道路などをパトロールし、震度5弱の地域でも道路維持工事を請け負っている会員企業が応急対応に出動した。高知建協も関係機関と情報を収集・交換しながら活動し、一時的な孤立世帯が生じた梼原町の被害を確認した。日本道路建設業協会(西田義則会長)は災害対策本部を設け、四国支部の災害対策本部との連絡調整を行っている。

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