訂正-NY外為市場=ドル上昇、米指標やFRB高官発言受け

(本文5段落目の「上昇幅は2年ぶりに大幅なものとなった」を「2年ぶりの高水準となった」に訂正します。)

[ニューヨーク 18日 ロイター] - ニューヨーク外為市場ではドルが上昇した。18日に発表された一連の米経済指標は強弱入り混じる内容となったものの、経済がなお堅調を維持し、連邦準備理事会(FRB)の初回の利下げが今年後半にずれ込む公算が大きいことを示唆した。FRB当局者の利下げに関する発言も材料視された。

ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は、米経済が好調なことを踏まえると、利下げを実施する差し迫った理由は現時点では見当たらないと述べた。アトランタ地区連銀のボスティック総裁も、忍耐強く対応することを快適に感じているとし、「景気は年内に十分に減速する見通しだが、年末まで利下げに着手できる状況にはならないだろう」という見解を示した。

金融市場が見込む年内の利下げ幅は計約38ベーシスポイント(bp)。これは0.25%ポイントの利下げが約1.5回実施されることを意味し、年初の6回から大きく後退した。

UBSのFXストラテジスト、バシリ・セレブリアコフ氏は「足元ドル高と戦うのは極めて難しい。米国のデータは引き続き、FRBが近く利下げに着手しないことを示唆している」とし、米国とG10諸国間の政策の乖(かい)離が一段と顕著になりつつあると指摘した。

フィラデルフィア地区連銀が発表した4月の製造業業況指数は15.5と3月の3.2から大きく改善し、市場予想の中央値2.3を上回った。2年ぶりの高水準となった(訂正)。

その他の米指標では、13日までの1週間の新規失業保険申請件数が21万2000件と横ばいで、前週と変わらず低水準となり、労働市場が引き続き堅調であることが示唆された。

また、3月の米中古住宅販売戸数は年率換算で前月比4.3%減の419万戸と、市場予想をやや下回った。

終盤の取引で、主要通貨に対するドル指数は0.2%高の106.15と、今週付けた5カ月半ぶりの高値である106.51に迫った。

ドル/円は0.1%高の154.580円。こちらも16日に付けた34年ぶり高値の154.79円からさほど遠くない水準にある。

市場参加者は現時点で、日本当局が介入に踏み切る可能性のある新たなラインを1ドル=155円とみている。

日銀の植田和男総裁は18日、円安を受け、無視できない大きさの影響が発生した場合には金融政策の変更もありうるという認識を示した。

ユーロ/ドルは0.3%安の1.0643ドル、ポンド/ドルも0.1%安の1.2440ドル。

市場では来週発表される第1・四半期の米国内総生産(GDP)が注目されている。

ドル/円 NY終値 154.63/154.66

始値 154.43

高値 154.69

安値 154.32

ユーロ/ドル NY終値 1.0643/1.0645

始値 1.0675

高値 1.0679

安値 1.0642

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