水木しげる記念館、20日にリニューアルオープン 原画を常時展示に 鳥取県境港市

水木さんの少年時代を紹介する常設展について解説する原口さん

 鳥取県境港市出身の漫画家水木しげるさん(1922~2015年)の功績や作品などを紹介する水木しげる記念館(同市)が、約1年の休館を経て20日にリニューアルオープンする。原画を常時展示できるようになったほか、水木さんの戦争体験の紹介にも力を入れている。

 オープンに先立ち報道陣に公開された施設は鉄骨2階建て約1688平方メートルで旧記念館の約1・5倍。湿度や温度を調整できる企画展示室を新設し、半年ごとに原画を入れ替えて紹介する。第1回の企画展は「鬼太郎の誕生」。1954年の初登場後、3度描き直された「ゲゲゲの鬼太郎」の主人公の誕生を貴重な原画で紹介する。

 常設展は水木さんの少年時代や代表作、語録など6章。特に力を入れたのが「水木しげると戦争」。左腕を失った南太平洋ニューブリテン島での過酷な戦争体験を紹介している。戦地から家族に送ったはがきなど貴重な資料もある。描いた妖怪のコーナーには、薄暗い洞窟の中に妖怪が50体潜む。

 案内役を務めた水木さんの長女で水木プロダクション取締役の原口尚子さん(61)は「今まで展示できなかった原画をぜひ見てほしい。水木の人格を根底から変えた戦争の展示にも力を入れた。次の日本を担っていく人に見てもらえたら」と話している。

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