経産省、AI開発でさくらインターネットなど5件に最大725億円補助

Yoshifumi Takemoto Ritsuko Shimizu

[東京 19日 ロイター] - 経済産業省は19日、幅広いAI(人工知能)開発者が利用可能なスーパーコンピューターの利用環境を整備するため、KDDIやさくらインターネットなど5件に最大725億円の助成を行うと発表した。

斎藤健経産相は同日の閣議後会見で、「今後さらに利活用が進む生成AIのモデル開発のため、国内に計算資源を整備することが重要」と語った。AI開発に必要な高性能のスーパーコンピューターは、現在、海外企業に依存しており、国内での整備が急がれるという。

助成を行うのは、GMOインターネットグループに約19.3億円、さくらインターネットに約501億円、RUTILEAとAI福島の共同申請に約25.6億円、KDDIに約102.4億円、ハイレゾとハイレゾ香川の共同申請に約77.0億円。

経産省では、今回支援決定した事業者や、5年以上にわたり計算資源を提供してきた産業技術総合研究所などで検討会を立ち上げ、技術面やビジネスの拡大に向けた課題や、日本として今後取り組むべき方向性を整理していくとしている。今夏をめどに共通課題の特定を目指す。

2022年12月、経済安全保障推進法に基づき、安定供給確保を図るべき重要物資として「クラウドプログラム」を指定。経済安保法に基づく認定供給確保計画では、23年度補正予算で1166億円が用意されている。

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