Jヴィレッジ宿泊者数、最多更新 2023年度5万7000人、前年度比10%増 大会や合宿、教育旅行追い風

2年連続で宿泊者数過去最多を更新したJヴィレッジ

 Jヴィレッジ(福島県楢葉・広野町)の2023(令和5)年度の宿泊者数は、前年度に比べ約10%増の約5万7千人となり、2年連続で過去最多を更新した。運営会社の株式会社Jヴィレッジが18日、明らかにした。正確な宿泊者数は7月の株主総会で示す。

 同社によると、2023年度は新型コロナウイルスの感染拡大が落ち着き、大会や合宿に伴う宿泊者が増えた。サッカーだけでなくラグビーやアメリカンフットボール、バレーボールやバスケットボールなどさまざまな競技の団体が利用したという。「ホープツーリズム」などの教育旅行や企業研修での利用も安定して推移し、自転車愛好者を対象とした宿泊プランや地域のイベント開催に合わせた宿泊商品も人気を集めた。

 1997(平成9)年の開業以降で最多だった2022年度は5万2185人だった。一層の利用促進を目指し、同社は今後、多様化する利用者のニーズに合わせた宿泊、研修の企画を商品化し、平日の利用増などにつなげたい考えだ。

■20日で全面再開から5年

 Jヴィレッジは東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の発生で休業し、一時、原発事故対応の最前線基地となった。2019年の全面再開から20日で5年となる。溝口文博取締役は「休業当時は再生の難しさを感じていたが、地域の方々に支えられた」と振り返る。

 今夏からは全国高校総体(インターハイ)男子サッカー競技がJヴィレッジをメイン会場に浜通りで固定開催され、さらなる利用者の増加が見込まれる。溝口取締役は「おもてなしの態勢を十分に整え、選手や応援で訪れる方々に双葉郡の良さを届けたい」と決意している。

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