企業の資金需要DIはプラス4、経済の安定推移などで=日銀

Kentaro Sugiyama

[東京 19日 ロイター] - 日銀が19日発表した「主要銀行貸出動向アンケート調査」(四半期ごと公表)の4月調査は、企業向けの資金需要が「増加」したとの回答から「減少」を指し引いた指数(DI)がプラス4となり、前回1月のプラス1から上昇した。経済が比較的安定していた中、小幅なプラス圏で推移するトレンドに変化がみられなかった。

調査の回答期間は24年3月11日から4月10日で、50の銀行、信用金庫が対象。

企業向けでは、資金需要が「増加」と回答した金融機関は前回と同様でゼロ。「やや増加」との回答は5で前回を上回った。一部企業に運転資金需要や設備投資需要がみられた。ただ「横ばい」との回答が44で全体の88%を占めた。

個人向けの資金需要DIはマイナス2。前回のプラス3から低下し、23年7月調査以来のマイナスとなった。

個人向けのうち、住宅ローンの資金需要はマイナス1と前回から横ばい。住宅価格の上昇などを受けて新規需要が出にくいもよう。消費者ローンはプラス7と前回のプラス9を下回ったが、物価高の中で個人消費は底堅くプラス圏での推移が続いている。

今後3カ月間の資金需要判断DIは、企業向けがプラス4で横ばいとなる一方、個人向けはプラス3で前回のプラス2を上回った。

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