2025年卒「大手企業志向が増加傾向」半数超…マイナビ調査

企業志向(回答項目詳細/経年推移)

マイナビは2024年4月16日、「マイナビ 2025年卒大学生就職意識調査」の結果を公開した。2年ぶりに大手企業志向が前年比4.8ポイント増で半数を超えたほか、企業選択のポイントは3年連続で「給与の良い会社」が増加するなど、物価高の影響や経済的な不安が垣間見える結果となった。

同調査は学生の就職意識や就職活動全体の動向を把握することを目的に、1979年卒より毎年実施しているもの。2025年卒調査は、2025年3月卒業見込みの全国大学3年生、大学院1年生を対象に、2023年10月1日から~2024年3月17日の期間、インターネットで実施した。有効回答数は、3万9,190名(文系男子1万2,657名/文系女子1万5,958名/理系男子6,787名/理系女子3,788名)。

大手企業志向(「絶対に大手企業がよい」と「自分のやりたい仕事ができるのであれば大手企業がよい」の回答の合計) は前年比4.8ポイント増の53.7%となり、2年ぶりに半数を超えた。特に「自分のやりたい仕事ができるのであれば大手企業がよい」が43.9%と最多回答になっており、学生の志望職種(やりたい仕事)への意識の高まりも垣間見える結果となった。

就職観については、「楽しく働きたい」が前年と同値、かつ最多で38.9%となった。「個人の生活と仕事を両立させたい」も前年比1.7ポイント増の24.5%となった。「マイナビ 2025年卒 大学生のライフスタイル調査」では、約6割の男女が「育児休業を取得して子育てしたい」と回答しており、働きやすい環境を希望したり、学生のワークライフバランス志向が反映していると考えられる。

行きたくない会社を聞いたところ、最多は前年に続き「ノルマのきつそうな会社」38.9%(前年比0.7ポイント増)となった。ついで「転勤の多い会社」30.3%(前年比0.7ポイント増)となり、調査がこの形式になった2001年卒以降初めて3割を超えた。結婚後に共働きを希望する学生が多いことから、自身とパートナーそれぞれが仕事をもつことを前提とした際、転勤することが難しいと感じる学生が多いということなどが背景として考えられる。

中川和佳

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