鳳岩遺跡で3~4万年前の墓発見 中国広西チワン族自治区

鳳岩遺跡で3~4万年前の墓発見 中国広西チワン族自治区

鳳岩遺跡出土の獣骨。(資料写真、柳州=新華社配信)

 【新華社南寧4月19日】中国広西チワン族自治区柳州市の文物保護・考古研究センターは、同市にある先史時代の鳳岩遺跡で3~4万年前の墓を発掘したと発表した。柳州市が中国社会科学院考古研究所、広西文物保護・考古研究所と共同で発掘調査した。柳州、さらには華南地域全体の初期現生人類の起源と拡散、体質的特徴を知る上で重要な資料になるという。

鳳岩遺跡で3~4万年前の墓発見 中国広西チワン族自治区

鳳岩遺跡出土の穿孔石器。(資料写真、柳州=新華社配信)

 遺跡は羅漢山東側山腹の洞窟にあり、内部は屈曲し、山の東、南、北側に出口がある。うち東側の洞窟ホールAの面積は約250平方メートルで、比較的多くの文化層が保存されていた。調査は2023年6月初め~11月下旬に行われ、約50平方メートルを発掘。墓1基と火の痕跡27カ所、人類の活動痕跡1カ所、灰坑3カ所を発見した。石器や土器などの生産道具と生活道具、打製石器の制作に関わる大量の石材、断片、石核、石片、破片など序層が明確な遺物が出土し、水生動物と陸生動物の遺物も多く見つかった。

鳳岩遺跡で3~4万年前の墓発見 中国広西チワン族自治区

鳳岩遺跡の発掘にあたる研究者。(資料写真、柳州=新華社配信)

 柳州市文物保護・考古研究センターの担当者は発掘調査で得られた一連の重要成果について、3~4万年前の墓が自治区で近年発見された数少ない古代墓の一つであること、細石器と礫石器(れきせっき)の層序が明確になり白蓮洞文化(柳州市の白蓮洞遺跡を標式遺跡とする旧石器時代文化)を探求する上での重要な情報になったこと、高廟文化(湖南省洪江市の高廟遺跡を中心とする新石器時代文化)の土器片の発見が地域の先史文化と周辺他地域との文化交流の研究に重要な情報をもたらしたことを挙げた。(記者/黄浩銘)

鳳岩遺跡で3~4万年前の墓発見 中国広西チワン族自治区

鳳岩遺跡の発掘現場で、地表で採集した標本を整理する研究者。(資料写真、柳州=新華社配信)

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