キッチンスポンジは「汚れたらポイ」の時代? 衛生面の悩みを一掃「毎回とりかえスポンジ」開発秘話とは

※画像はイメージです(写真AC)

主婦歴20年以上になるというOさん。今までいろいろなキッチンスポンジを試してきたそうですが、未だに「これ!」というものに巡り合えないと言います。毎回その時々で「チラシで安くなっているもの」や「景品でもらったもの」などを使いながらも、どれもしっくり来ないまま今に至るそう。

過去に、友達から「全然へたらなくて使いやすい」とすすめられたキッチンスポンジがあり、一時はそれを愛用していたらしいのですが、「本当にへたらなくて2~3カ月使用してしまい、衛生的にどうなのか心配になってやめた」と言います。

そんなOさんですが、最近、薄型で汚れたらすぐ交換できるという、これまでになかったスポンジが流行っていると聞きました。各社からそのようなスポンジが販売されているというのです。さっそくOさんは、その新しいスポンジを試してみました。

汚れたら気軽にとりかえられるから安心

(写真提供:カインズ)

Oさんが購入してみたのは、ホームセンターのカインズが販売している「キッチン用毎回とりかえスポンジ」です。「汚れたらとりかえる」という薄型のキッチンスポンジで、購入してみたOさんが言うには、「キッチンのちょっとしたお悩みがあれもこれも解決した!」そうなのです。

「キッチン用毎回とりかえスポンジ」は2021年12月から販売されている商品です。398円(税込み)で30個入り、1個当たり14円以下というコスパの良さ!ミシン目を破って1個ずつ取り出せるので、使用中でも残りのスポンジがバラバラにならないのは、嬉しい気配りポイント。スポンジのサイズは、縦が50mm、横が110mm、厚さが12mmと、一般的なものよりだいぶ小さいですね。

Oさんのおうちでは、食器洗い器をフル活用しています。軽く汚れを落として、ほとんどの食器は食器洗い器に入れるそう。そして最後に、食器洗い機に入れないお鍋やフライパンをスポンジで洗う、というのが食器洗いの流れ。「カレーのお鍋でも、スポンジ汚れを気にすることなく洗えるのがいい」という点と、「汚れたら気軽に処分できるから衛生面で安心」という点がおすすめだそうです。

汚いところをさがしてでも掃除するので台所をキレイに保てる

(写真提供:カインズ)

洗い物が終わってもあまりスポンジが汚れていない日は、無理して捨てることはしないというOさん。「それでも2~3日で新しいものと、とりかえているかな」と言います。そして、処分する前は流し台をしっかり洗い、排水溝の中までキレイに洗うそうです。

今までも、スポンジがへたってきたタイミングで排水溝を洗っていたのですが、「そんなタイミングは1カ月に1回あればいいところ」で、その間は汚れている排水溝を「見ないふりをしていた……」とのこと。今回カインズのスポンジを購入して一番良かったところが、「排水溝が汚れる前に掃除できるようになったこと」だそうです。今は、スポンジを処分する前は、台所で汚れているところを探してでも掃除をしているというOさん。おかげで台所まわりをピカピカに保てるようになったと喜んでいます。

商品開発秘話をカインズ商品担当者に聞いてみた!「この発想はどこから?」

油汚れも、スポンジ汚れを気にすることなく洗えます(写真提供:カインズ)

カインズの商品担当者の方に、キッチンスポンジを「汚れたら毎回とりかえる」という発想はどこからきたのか聞いてみました。すると「スポンジがへたってきたら、排水溝を洗ってから捨てる」という方が多いことから「排水溝など汚れがひどい場所を洗ったあとに、気軽に捨てられるスポンジがあれば便利かな」と考えたのがきっかけとのこと。確かに、排水溝をキレイに掃除したいときにスポンジが都合よく「処分直前の状態に」になるわけでもなく、Oさんのお宅でも「お掃除のタイミング」を合わせるのが大変でした。

また、「食器洗い用とは別にシンク洗い用のスポンジを用意している方もいらっしゃるが、スポンジの保管場所に困っているのではないか」とも思ったそうです。汚れたら処分する前提であれば、そのような用途別のスポンジを準備する必要もないですね。

開発にあたって一番苦労したポイントは「サイズ」だと言います。大きすぎると、処分する時に「もったいない」という抵抗感が生まれるのでは?小さすぎるのも、洗っているときに洗剤が漏れるのでは?など、いろいろ悩んだとのこと。結果的に指2本がおさまるこの大きさに決まったということです。また、表面にある発泡の目を大きくすることでスポンジの中に汚れが残りづらく、水キレのよい仕組みになっているそうです。汚れたら捨てるスポンジとはいえ、複数回の使用にも耐えられるようになっているようです。

スポンジを使うタイミングに気をつけて衛生面に備える

※画像はイメージです(写真AC)

汚れたら毎回とりかえるスポンジなので、衛生面で考えてもおすすめだとOさんは言います。「しっかりしすぎるスポンジは替え時がわからないけど、この毎回とりかえスポンジなら汚れるたびに処分できます」とのこと。

公益社団法人日本食品衛生協会の「食の安全・安心ダイヤル」にスポンジの衛生面について尋ねてみると、食中毒を予防するために重要なのは、「毎回とりかえる」ことよりも「スポンジの扱い方」だそうです。「とりかえるスポンジであっても、肉や魚を扱ったまな板を洗ってから、そのまま食器を洗浄するといった順番をされていると、食器に生肉や生魚の汚染物質が移行する可能性がある。また、スポンジに触れた後の手指はよく洗浄してから、生野菜などに触れる、といった配慮も必要」と教えてもらいました。そのため、「汚れたら処分する」スポンジであっても、洗ったり料理をしたりする順番には、十分気をつけ、スポンジや手指を介して汚染物質が拡散しないようにする必要があるということでした。

「毎回とりかえスポンジ」のおすすめな使い方はほかにも!

(写真提供:カインズ)

カインズの商品担当者の方が言うには、ほかにも、コンパクトなサイズをいかして、ランチバックに入れてオフィスに持ち込んだり、アウトドアに持って行ったりするのもおすすめだそう。Oさんのお宅のように、食器洗い機に入れる前の予備洗いとして使うのもいいですし、たまにしか洗い物をしないお一人暮らしの方で、滑りやニオイが心配、という場合にもおすすめです。

カインズの工夫がこらされた商品を使ってみて、汚れたらとりかえる薄型スポンジの便利さを実感したというOさん。「薄型スポンジはリピート決定ですね。また買います」と言います。これからの梅雨シーズンに備えて、台所を清潔に保つためにも、継続して購入したい、ということでした。
※情報は掲載当時の物です。商品名や価格は変更になる場合がございます。

▽参考:カインズ「キッチン用毎回とりかえスポンジ 30個入り」
https://www.cainz.com/g/4549509747062.html

▽参考取材先:公益社団法人日本食品衛生協会「食の安全・安心ダイヤル」
https://www.n-shokuei.jp/eisei/dial.html

(大田 亜由美/ファイナンシャルプランナー・整理収納アドバイザー・防災士)

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