【バレーボール】終盤健闘も慶大バレーを発揮しきれず明大にストレート負け/関東大学男子1部バレーボールリーグ戦 第3戦 vs 明大

「当たり前を超えろ」。強豪ひしめく関東1部でいかに戦っていくか、試行錯誤を続ける慶大。特に、山口快人(経2・慶應)のセッター、そして守備の強化に力を入れたいところ。そんな慶大は、苦手意識があるとも話していた明大との一戦に臨んだ。第1セットは、明大のテンポの良いバレーを前に、ブロックのばらつきやトスのずれが目立ち、徐々に点差を広げられてこのセットを落とす。第2セット以降は、徐々に内容を修正しながら勢いづいていくが、先に25点をとったのは明大だった。第3セットは、一進一退の攻防を繰り広げ19ー17まで達するも、直後に明大の5連続得点。明大の勢いを止めることはできず、そのままゲームセット。慶大は、ストレートで明大に敗れた。

2024年4月14(日)

春季関東大学男子1部バレーボールリーグ戦

第3戦 慶大×明大

@小田原アリーナ 15:00-

得点
慶大	セット	明大
17	1	25
18	2	25
21	3	25
出場選手(サーブ順)
ポジション	背番号	名前(学部学年・出身校)
OH	11	入来晃徳(環3・佐世保南)
OH	12	内田克弥(環4・松江工業)
MB	8	芳賀祐介(環4・札幌北)
OH	6	山口快人(経2・慶應)
OH	1	渡邊大昭(商4・慶應)
MB	9	松山鼓太郎(商2・慶應)
L	4	今田匠海(政1・慶應)
L	7	山元康生(法3・慶應)
途中出場
S	15	久保田健介(商3・慶應湘南藤沢)
S	21	細野一真(経4・慶應)
OH	2	清水悠斗(総1・習志野)

第1セットは、テンポの良い明大のバレーを前にブロック

精度の高いスパイクで存在感を発揮した内田克弥

が反応しきれず、ワンタッチをとられて失点する場面が目立つ。トスも合わず難しい立ち上がりとなるが、内田克弥(環4・松江工業)がブロックの脇を抜くコントロールに長けたスパイクや、強烈なバックアタックで慶大を鼓舞。相手のサーブミスにも助けられ、3点差以内を維持して明大にくらいついていく。しかし9ー12から、明大の強烈なスパイクにブロックが競り負け、明大の3連続得点。6点を追う慶大は粘りのバレーをみせるが、サーブやスパイクでのアウトも目立ち、点差を縮めることはできず。最後まで明大のペースで試合を展開され、17ー25で第1セットを落とす。

慶大を勢いづけた入来晃徳

第2セット以降、慶大は決定的なプレーから徐々に勢いづいていく。序盤は、第1セットに続きブロックの間を抜かれる場面が多く見られた。さらに、鋭角のスパイクやツーでノータッチエースをとられるなど、明大の高い技術に圧倒され4ー8。そんな中、嫌な流れを断ち切ったのは、入来晃徳(環3・佐世保南)。入来が1枚で明大のスパイクを仕留めると、松山鼓太郎(商2・慶應)、芳賀祐介(環4・札幌北)、渡邊大昭(商4・慶應)らが後に続いて得点を重ね、12ー12の同点とする。第1セットで好プレーを連発した内田克弥も、今度はサーブカットでチームを支える。しかし、明大も黙ってはいない。強烈なスパイクやサーブで慶大を崩し、気づけば13ー21と8点を追う展開に。慶大は追い上げを図るが8点の差は大きく、18ー25で第2セット終了。セットカウント0ー2で、第3セットへ。

絶対に落とせない第3セット、芳賀祐介がクイックで相手

プレーでチームを牽引する主将・渡邊大昭

のワンタッチをとり2−3とすると、サーブでも相手のミスを誘い連続得点。4ー3で、慶大が一歩リードする展開に。直後には、相手の強烈なスパイクで弾いたレシーブを、今田匠海(政1・慶應)と内田克弥が隣のコートまで追いかける執念のプレーをみせ、観客の心を動かす。そして、入来晃徳が前2セットよりもスパイクの精度を上げ、サイドを貫く強烈なスパイクで点数を重ねる。ラリー戦では明大が一枚上だが、渡邊大昭が持ち前の強烈なサーブとスパイクで点数を伸ばし、山口快人もブロックで得点。一進一退の攻防の中、慶大がリードする形で試合はセット終盤へ。このまま第3セットをものにできるか、そんな淡い期待を胸に迎えた19ー17の場面で、入来のサーブがネットにかかってしまう。そこから明大が5連続得点の猛攻を繰り広げ、19ー22と突き放される。なんとしても球を床に落とすまいと、リベロの今田匠海、山元康生(法3・慶應)も体を張った懸命なプレーを見せる。迎えた相手のマッチポイント、慶大は昨年度ピンチサーバーとして何度もチーム救ってきた久保田健介(商3・慶應湘南藤沢)にサーブを託すが、最後は明大にスパイクを打ち抜かれてゲームセット。21ー25の健闘もこのセットをものにできず、0ー3で明大に敗れた。

新チームとして臨む初のリーグ戦もまだ序盤。Vリーグの舞台で戦う前主将・島田航希(令和6経卒・慶應)と絶対的エース・松本喜輝(令和6環卒・九州産業)、そして慶大の攻撃を支えたセッターの大槻晟己(令和6総卒・清風)の不在をいかに補っていくのかが、今後の勝負の鍵となるだろう。渡邊主将が「伸びしろしかない」と話していた慶大が、春季リーグの舞台でどう成長し、躍動するのか楽しみにしたい。

(取材:長掛真依)

▽以下、コメント

星谷健太朗監督

――明治のどのような点で戦いにくいと感じましたか

やっぱり一人一人の能力が高くて、バレーの理解度が高いので。ミスなく安定したプレーをしてくるので、ラリーが続いた時にこっちの方がボロが出て、点数を取られてしまうというのがやりにくかったところだと思います。

――今日は1年生リベロの今田さんが出場されていたりと、最近はリベロの出し方にも変化が見られますが

試合で活躍できるのが誰かというところで基本的には決めています。ただそれは状況によってコンディションが変わってくると思うので、その時々を見てベストな人は誰かということで、今日はどちらかというと今田(=今田匠海)の方が良かったのかなというので出てもらっていました。

――決定的なプレーから勢いづく慶大のバレー。慶大のバレーを発揮するために求められるものは

流れというところでいうと、トス。セッター(=山口快人)はまだ経験が浅いので、トスを安定できるようにすることが一番。あとはスパイカー自身も、来たトスに対して迷いなく振り抜く勇気を持つこと。それ以上に、レシーブで簡単なボールを卒なく処理する力というのが前提としてないと、勢いに乗り切れないのかなと思っています。

――次戦に向けて

ホームゲームなので、我々はもちろん精一杯昨日今日以上に頑張りますけど、皆さんの応援を力に150%の力を発揮して、慶應のバレーを見せつけたいなと思います。

内田克弥選手(環4・松江工業)

―今年はチームの中でどのような役割を意識されていますか

去年まではレシーブ中心だったんですけど、今年は去年の松本喜輝さんとかエースが抜けちゃったので、攻撃面でも守備面でも活躍できる選手になっていきたいと思っています。

――明治のどのような点で戦いにくいと感じましたか

やっぱりテンポですかね。キャッチとか、ファーストからテンポを抑えて、セッターが早くトスをあげていたので、そのテンポにやられてブロッカーがつきにくくなって、間にボールが落ちたりだとか、精度が高くてやりにくかったです。

――次戦に向けて

勝ちます!

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