福島第1原発事故の避難者新潟訴訟、再び東電に賠償命令 国の責任は認めず・東京高裁控訴審判決

避難者訴訟控訴審判決を前に、東京高裁前であいさつする弁護団ら=4月19日、東京・霞ケ関

 東京電力福島第1原発事故による新潟県への避難者らが国と東電に慰謝料などを求めた新潟訴訟の控訴審判決で、東京高裁(木納敏和裁判長)は4月19日、東電に対し、原告に原則として大人1人当たり30万円、妊婦と18歳以下の子どもは同60万円の慰謝料を支払うよう命じた。一審新潟地裁判決を上回る水準。国の責任は否定した。

* [福島第1原発事故の避難者新潟訴訟、4月19日いよいよ控訴審判決 国の責任認められれば最高裁判断見直す契機に](https://www.niigata-nippo.co.jp/articles/-/392522) * [賠償基準見直しどう影響?福島第1原発事故の避難者新潟訴訟・4月19日に控訴審判決 国の責任否定の最高裁判断覆すかにも注目](https://www.niigata-nippo.co.jp/articles/-/390448) * [新潟訴訟の控訴審、避難指示区域内の原告の和解成立](https://www.niigata-nippo.co.jp/articles/-/352988)

 原告780人のうち、国の避難指示区域内の原告155人はことし1月に和解。避難指示区域外の原告625人が判決を迎えた。2021年の一審新潟地裁判決は、国の責任を否定し、東電にのみ一部賠償を命じた。原告、東電の双方が控訴。控訴審は22年に始まった。

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