侍JAPAN監督/井端弘和がNPBジュニアトーナメントでもセットポジション投手が圧倒的に増えたことで思うこととは!?【少年野球 デキる選手はやっている「打つ・走る・投げる・守る」】

教えて井端さん!高校入学前まで投手だった

プロ野球選手になるような人は、小学校や中学校では投手をやっているものです。井端弘和選手もそうでした。だから投手マインド(心)を持ち合わせていますし、一塁送球も素晴らしい球を投げるのです。

セットポジション投手が圧倒的に増えた

――NPBジュニアトーナメントを見学しました。全国トップクラスの小学生が集まっていて、セットポジション、クイックモーションを上手に使い、登板投手の平均球速は110キロでした。

井端弘和の答え

私は小学5年生から投手を始めましたが、当時はコントロールをつけるためにセットポジションで投げていました。バランス感覚と筋力がついてきた6年生になって、ワインドアップ・モーションにして球速も増しました。私の少年時代よりも、最近はセットポジションで投げる投手が明らかに増加しました。しかも、凄く速いクイックモーションで投げる投手もいます。走者がいなくても、打者のタイミングを外すためにクイックモーションを(球種として)使う投手もいます。「今はそういう時代なんだな」と感心かつ驚きながら見ています。

かつては盗塁を企てられたらオールセーフと諦あきらめるくらいでしたが……(苦笑)。全国レベルのバッテリーは、出塁したらクイックモーション、捕手が二塁ノーバウンド送球ですね。全国レベルのチームはもちろん、最近では「どうせ覚えさせるなら早いうちから」と、小学生にクイックモーションを仕込むのは、多くのチームの方針なのでしょう。

ただ個人的には、軸足に体重をのせて前に突っ込まないで投げられるようになってからのほうがいいのかなと思います。

【出典】『少年野球 デキる選手はやっている「打つ・走る・投げる・守る」』 著:井端弘和

【書誌情報】
『少年野球 デキる選手はやっている「打つ・走る・投げる・守る」』
著:井端弘和

侍JAPANの日本代表監督、井端弘和氏が指導する少年野球の基本的プレー解説書。野球の根幹になる「打つ」「走る」「投げる」「守る」の4つのプレーに関して、初級・中級・上級の難易度別にステップアップできるよう写真とイラストで丁寧に解説します。世界を代表する選手も、日本の部活でプレーする選手も、この4つの基本に関して特別違うことをするわけではありません。確実にプレーを習得しステップアップしていくことで、世界レベルの基本に迫れます。「教えて井端さん」の野球コラムも章ごとに掲載。少年野球をプレーする生徒、指導者にとって、基本を見直したり、知ってるようで知らなかったプレーを見直す、必読の一冊です。

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