鮮やかな紫、山腹に彩り 足利でミツバツツジ見頃 県天然記念物、25日ごろまで

見頃を迎えたミツバツツジ

 【足利】小俣町の「ミツバツツジ自生地」で約120本のミツバツツジが紫色の花を咲かせている。25日ごろまで楽しめるという。今年は例年より1週間ほど遅い3月24日ごろから咲き始め、今月10日ごろに満開となった。朱色のヤマツツジと共に小高い山の斜面を彩っている。

 県内に多く生息しているトウゴクミツバツツジはおしべが10本あるが、ミツバツツジは5本と少なく珍しい品種だという。近畿地方から関東地方の太平洋側の山地に分布し、同町は国内の北東限とされる。県内では唯一の自生地で、1955年に県の天然記念物に指定された。

 16年ほど前に地元住民らが「小俣三葉つつじ自生地愛護委員会」を立ち上げ、雑木の伐採や雑草の刈り払いを行ってきた。しかし、近年は新型コロナウイルスの影響で思うような活動ができず、愛護会は消滅。現在は会長を務めていた吉田好一(よしだこういち)さん(83)を中心に有志らが集まり愛護活動を行っている。

 ミツバツツジは急斜面に生えているため、一昨年から階段の整備を開始。現在は山の中腹まで登り、間近で観賞することができる。また、昨年は観賞者用の駐車場を整備するなど精力的な活動を行っている。吉田さんは「先輩方の取り組みを受け継いでいきたい。今後も整備を積極的に行っていくので、ぜひ見に来てほしい」と話している。

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