女子テニス元世界2位バドサが“今季3度目”の負傷途中棄権!対戦相手の親友サバレンカは「泣きそうになった」と試合後<SMASH>

現在開催中の女子テニスツアー「ポルシェ・テニス・グランプリ」(4月15日~21日/ドイツ・シュツットガルト/インドアクレーコート/WTA500)は、現地17日にシングルス2回戦を実施。元世界2位のパウラ・バドサ(スペイン/現93位)は親友のアリーナ・サバレンカ(ベラルーシ/同2位)と対戦したが、ファイナルセットで左太ももの負傷により途中棄権を表明し、ベスト8進出を逃した。

またしてもバドサを悲劇が襲った。親友対決となったこの試合は両者一歩も譲らず、第1セットからいきなりタイブレークに突入。これを7-4で取り切ったバドサだったが、第2セットは4-6で落としセットオールに持ち込まれる。

ここでバドサは左太ももに痛みを訴えメディカルタイムアウトを要求。それでも応急処置を経てプレーを続行すると、ファイナルセットでは第3ゲームで先にブレークに成功して3-1とリードを奪う。

だがタフな試合内容も影響したのか、ゲームを重ねるごとにバドサの左太ももの状態は悪化。ブレークバックを喫して3-3と追いつかれた第6ゲーム終了時にリタイアを申し入れ、2回戦敗退が決まった。

試合後にはネット越しに抱擁を交わした両者。審判と握手するまでのバドサは気丈に振舞っていたが、直後に再び抱き合ったサバレンカに励ましの声をかけられると、親友の肩に顔をうずめて号泣。望んでいなかった形で試合が終わってしまったことが相当悔しかったようだ。
思わぬ形でベスト8入りを決めたサバレンカは、試合後のオンコートインタビューで次のようにバドサを気遣う言葉を残している。

「(女子ツアーの)この競争的な雰囲気の中で、(良い)友人がいるというのは非常に重要なことだと思う。私は彼女を愛しているから、この結果は本当に気の毒に思う。彼女の状態が最高ではなく、文字通り泣きそうになったわ。彼女には同情してしまう。彼女ができるだけ早く回復し、マドリード・オープン(4月23日~5月5日)に向けて準備が整うことを心から願っている。改めてパウラのような友人がいることに本当に感謝しているわ」

今季開幕戦のアデレード国際(WTA500)で背中のケガから約半年ぶりにカムバックを果たした26歳のバドサ。ところが復帰後も以前のような強さは取り戻せていないことに加え、最近は試合中のケガに見舞われるケースが増えてきている。2月の「タイ・オープン」(WTA250)の2回戦と同月下旬の「ドバイ・デューティ・フリー・テニス選手権」(WTA1000)の1回戦に次ぎ途中棄権はこれが今季3度目だ。

なおバドサは今大会、オンス・ジャバー(チュニジア/9位)とのペアでダブルスにも参戦しベスト8へ勝ち進んでいたが、バドサの負傷を理由に同ペアは18日に予定されていたベサニー・マテックサンズ/ジャン・シューアイ(アメリカ/中国)との準々決勝を棄権した。とにかく今はバドサの1日も早い回復を願うばかりだ。

文●中村光佑

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