「立佞武多の館」開館20周年 そびえる存在感、入館延べ234万人 青森県五所川原市

20メートルを超える大型立佞武多を見学する来館者ら。西北五地域を代表する観光拠点として、存在感を放ってきた
2025年度に改修工事が行われる「立佞武多の館」。26年度中にリニューアルオープンする予定

 青森県五所川原市の「立佞武多(たちねぷた)の館」が21日、開館から20周年を迎える。2004年のオープン以降、これまでに延べ234万人(24年3月末現在)の入館者を集め、西北五地域の重要な観光施設として存在感を放ってきた。老朽化に伴う大規模改修のため25年度は原則休館となる予定だが、市は26年度中にリニューアルオープンさせ、引き続き観光拠点、市民交流の場としていくことにしている。

 同館は、市が約36億円をかけて建設し、04年4月に開館。地下1階(機械室)、地上7階建てで、延べ床面積は7591平方メートル。大型立佞武多3台を展示しているほか、会議室などを市民が利用している。

 年間を通じて、高さ20メートルを超える立佞武多を見られることから、同館には、国内外から多くの観光客が訪れている。来館者は初年度の04年度に記録した18万6710人が最多。コロナ禍の影響で20、21年度は年間の有料入館者数が3万人台まで落ち込んだが、23年度は10万3359人となり、4年ぶりに10万人台を回復した。

 開館当初から関わり、22年から館長を務める佐々木基一さん(65)は「一年を通じて(五所川原に)観光客が訪れるようになり、市民のくつろぎの場になるなど、街の一つのシンボルになった」と同館誕生後の変化を指摘する。また、同館を訪れた人々が周辺地域の観光地を巡る流れが生まれたとし、「地元経済に与えた影響も大きい」と話す。

 一方、オープンから20年がたった建物は老朽化が進み、天井部分の雨漏りや空調設備の不具合などが起こっている。市は25年度に大規模改修を実施し、工事期間中は原則休館とする予定だ。

 ただ、市が行ったパブリックコメント(意見公募)では、大規模改修に賛成の声がある一方、休館による地域観光への影響を懸念する声も上がっている。

 市経済部の川浪治部長は「観光に与える影響が少ないよう(約1年という)短期間で改修工事を行う。改修後は西北五圏域を代表する観光拠点、市民交流の場となるよう発信していきたい」と理解を求める。

 21日は、節目を記念し「お誕生日祭」と銘打ったイベントを同館で催し、餅まきや、おはやしの実演、ミニコンサートなどが行われる。

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