弁当注文196回、総額500万円 コロナ禍の飲食店支援「テイクアウトデー」終了 青森県弘前市上下水道部

テイクアウトデー最終日、弁当を届けた千葉さん(中)と懇談する市職員=18日、弘前市岩木庁舎

 コロナ禍で厳しい経営状況にある青森県弘前市内の飲食店を支援するため、弘前市上下水道部が2020年4月から実施してきた「テイクアウトデー」が18日、終了した。同部職員が昼の弁当をまとめて注文する取り組みで、4年間の実施回数は196回、注文総額は500万円超。注文した店は76店に上る。同日、弁当を配達した飲食業者は「たくさんの注文をいただいた。終わるのは寂しい」と話した。

 取り組みがスタートした20年4月当時、コロナまん延で歓送迎会などが軒並み中止となり飲食店が厳しい状況に陥っていた。「少しでも応援できないか」と、弘前水道労働組合がまとめ役となり毎週木曜、市内の飲食店に弁当を注文することにした。店選びは職員からの情報を参考にしたが、利用した店から、他の店を紹介されたこともあった。

 注文を受けた多くの店舗から「経営が厳しい中、本当にありがたい」との声が市に届けられた。

 昨年5月、コロナが5類に移行したことや、注文総額が目標に達したことなどから、一括注文の取り組みは一区切りつけることに。最終日の18日は、同部職員約100人のうち約60人が、同市の「豚専門店 いろとん」の弁当を注文。同店代表の千葉悠也さん(41)は「何度も注文を受けた。従業員は朝から張り切って弁当を作ってきた。取り組みが終わるのは、寂しい気持ちもある」と述べ、職員に感謝の気持ちを示した。

 小野敦弘・上下水道部長は「コロナ禍の地元経済に微力ながら貢献できたのであればうれしく思う」。弘前水道労働組合の赤坂嘉宣執行委員長は「オリジナル弁当を作ってくれた店もあり、ありがたかった」と語った。

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