トルコ、経済は正しい軌道上にあり金融政策は十分機能=財務相

Rodrigo Campos

[18日 ロイター] - トルコのシムシェキ財務相は18日、同国の経済は正しい軌道上にあり、金融政策は十分に機能していると述べた。今後の政策はより支援的なものになるが、その効果を見極め、社会全体を納得させるにはさらに時間が必要との認識を示した。ワシントンで開催されている国際通貨基金(IMF)・世界銀行春季総会の傍らで開かれたイベントでの発言。

シムシェキ氏は、トルコ経済の構造転換の一部は新たな産業政策と合わせて進められ、「かなり透明性が高く、ルールに基づいたものになる」と説明した。

その上で「より生産的な分野に資源を振り向け、二酸化炭素排出量を削減し、経済の競争力を強化するとともに、生産性の改善に向けて潜在成長率をどのように高めることができるかを見極めたい」と語り、グリーン経済への移行は選択ではなく、必要不可欠だと付け加えた。

同氏はまた、製造業と貿易の追い風になり得る要因として、友好国間でサプライチェーン(供給網)を完結する「フレンドショアリング」と生産拠点を最終消費地に近いところに置く「ニアショアリング」の両面で、「トルコが最有力候補の一つ」になっている点を挙げた。

さらに、競争力の強化、生産性の向上、投資環境の改善と並んで、インフレへの取り組みが引き続き最重要課題だと強調した。

今月これまでに発表されたデータによると、3月のインフレ率は前年同月比68.5%上昇したが、カラハン中央銀行総裁は、インフレ率は年末までに目標の36%に鈍化するとの見通しを示した。

シムシェキ氏はまた、ソブリン・デフォルト(債務不履行)に対する保険料の急落は、格付け会社からの前向きなコメントと相まって、投資家のトルコ経済と市場に対する信頼が回復した証拠だと解説した。

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