卓球日本女子に勝てない世界3位に中国メディア辛辣「前代未聞の記録」 パリ五輪代表落選も示唆

卓球W杯、張本美和に敗れた王芸迪【写真:Getty Images】

卓球W杯

卓球シングルスのワールドカップ(W杯)の決勝トーナメント1回戦が18日にマカオで行われ、女子世界ランキング12位の張本美和(木下グループ)が同3位の王芸迪(中国)をゲームカウント4-1で破り、準々決勝進出を決めた。パリ五輪に向けて勢いづく一方で、敗れた王芸迪について母国メディアは「補欠の機会も危うくなった」と団体戦メンバーからの除外の可能性を指摘している。

1ゲームずつ奪い合って迎えた第3ゲームに張本は9-6から2ポイントを取られたところでタイムアウト。冷静さを取り戻し、2ポイント連取でこのゲームをものにした。第4ゲームも奪い、第5ゲームは先にマッチポイントを握りながらデュースに持ち込まれる接戦。そこでも粘りを見せ、16-14で競り勝って決着をつけた。

中国メディア「卓球ネット」は「王芸迪、再び日本人選手に敗れる!1-4で張本美和に敗戦」との見出しで記事を掲載。張本の成長に脅威を覚える一方で、またも日本人選手に屈した王芸迪については厳しい論調が並んでいる。

本文では「王芸迪は今回のW杯の3番手の選手であり、中国代表として世界卓球女子団体、女子ダブルスで優勝した経験もある。パリ五輪シーズンに頭角を現し、コーチ陣から重点的に育成されていたが、この1年、外国人選手との対戦成績は芳しくなく、先日の世界卓球ではインド選手と日本の平野美宇に敗れた」と敗れた王芸迪の最近の戦績を紹介。

そのうえで「世論の攻撃にさらされたコーチ陣は、パリ五輪の選手選抜方法を変更せざるを得ず、王芸迪はパリ五輪女子シングルスの代表争いに加わる資格を奪われた」「王芸迪はこの1年近くの間に6回も日本選手に敗れ、中国卓球にとっては前代未聞の記録を残している。この敗戦で彼女はパリ五輪代表争いのポイントから減点されることは間違いなく、女子団体の代表の地位がなくなるばかりか、補欠の機会も危うくなった」と団体戦メンバーからも外される可能性についても言及している。

代表枠は個人戦2人、団体戦要員が1人の計3人。中国メディア「澎湃新聞」の報道によると、新たに外国人選手との試合での成績を、五輪選手選考の考慮対象に加えるとされている。中国女子代表の李隼ヘッドコーチ(HC)は、2月の世界卓球で苦戦を強いられ、とりわけ五輪選抜方法が原因で出場選手の選定に制限が生じたことに言及。「コーチ陣で話し合った結果、王芸迪をパリ五輪女子シングルス代表争いに加えることは不適切だという意見が一致した」と説明していた。

THE ANSWER編集部

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