老舗蔵元こだわりのウイスキー 八幡浜の梅美人酒造が県内初の製造販売

県内初製造となるウイスキー「多喜」を手にする梅美人酒造の上田祐一郎さん=18日、八幡浜市幸町

 八幡浜市の老舗蔵元「梅美人酒造」が県内初製造となるモルトウイスキー「多喜(たき)」を完成させ、一部先行販売を始めた。日本酒や蒸留酒などの製造技術を生かした、こだわりの逸品。5代目の上田英樹社長(62)は「名前の通り、多くの喜びをもたらすウイスキーになってほしい」と願っている。

 創業は1916(大正5)年。初代上田梅一氏(故人)が清らかな酒を造ろうと看板商品の日本酒「梅美人」を生み出した。現在は蒸留酒の焼酎や2020年から地元産かんきつを加えたクラフトジンなども製造販売している。

 松山税務署によると、記録が残る14年以降、県内でウイスキーの製造免許を取得したのは同社のみ。上田社長は近年の健康志向の中、糖質が低い蒸留酒のウイスキーをソーダで割る「ハイボール」などの人気が高まっていることに着目。昨年3月末に製造を始めた。

 アルコール度数43度で、700ミリリットル入り8800円。松山市湊町5丁目のいよてつ高島屋で30日まで開催中の「ワールドウイスキーマーケット」で一部先行販売。5月中旬からは梅美人酒造で300本限定で売り出す。問い合わせは同酒造=電話0894(22)0312。(秋山雄作)

八幡浜市の老舗蔵元「梅美人酒造」が販売するモルトウイスキー「多喜」

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