トモノカイとLINEヤフーがドキュメンタリーを題材にした探究学習教材を共同開発、中学・高校向けに販売開始

トモノカイは、LINEヤフーとともに、2022年度から必修化された「総合的な探究の時間」等において中高生がドキュメンタリー制作を通して学べる教材『映像で伝える探究ステップゼロ』を共同開発し、全国の中学・高校向けに4月18日から販売を開始した。

LINEヤフーが運営している「Yahoo!ニュース」では、2018年11月から約170名の個人クリエイターとともに、300本以上にのぼるドキュメンタリー作品をユーザーに届けてきた。また、2023年7月には「Yahoo!ニュース エキスパート」に所属するクリエイターが制作した作品を視聴しながら探究学習できる教材『ドキュメンタリーからはじめる探究ステップゼロ』をトモノカイと共同開発した。

探究学習教材の第2弾として、両社は今回『映像で伝える探究ステップゼロ』を共同開発した。2023年7月に共同開発した第1弾『ドキュメンタリーからはじめる探究ステップゼロ』に、映像づくりのプログラム付きにリニューアルして販売されることとなった。同教材では、第1弾でドキュメンタリーを視聴しながら探究学習した中高生が、実際にドキュメンタリーを制作しながら自分の興味関心についてより深く学び、感じたことや考えたことをドキュメンタリー映像で表現できる。

また、同教材は「Yahoo!ニュース」の監修に加えてニューヨーク・フード映画祭で最優秀短編賞と観客賞を受賞した経験を持つ「Yahoo!ニュース エキスパート」のクリエイター 岸田浩和氏の協力を得て制作されており、企画から編集までを細かいステップに分けて学べる。

まずは角川ドワンゴ学園のN高等学校・S高等学校をモデル校として、同教材を活用した授業が5月から開始される。

『映像で伝える探究ステップゼロ』の特徴は以下の通り。

ドキュメンタリー映像づくりを通して探究に必要な視点を養える

ドキュメンタリーは取材を通じて撮影者のメッセージを表現する映像手法。このため、テーマを設定して自ら考えて情報を収集し、まとめて表現するという探究活動の成果を具現化・表現するのに最適な手法と言える。探究学習に必要な「ものごとを捉え、他者に伝えるための視点」を養える。

中高校生でも取り組みやすい初心者向けのプログラム設計

プロの映像作家の制作プロセスを踏まえながら、初めてでも取り組めるようにレベル調整し、プログラムを設計。ワークシートに書き込むことで必要な要素が準備できるように配慮されている。実践的な映像制作のフローを押さえながら、手元のスマートフォンを使って撮影することを前提としており、中高生でも取り組みやすい初心者向けの教材となっている。

学校の授業現場では扱うことの少ない映像制作体験を実現

探究学習において、生徒の探究成果はポスターや論文などでまとめて表現することが主流となっている。同教材ではそうした従来の表現にとどまらず、映像制作という新しい表現に取り組めるため、動画に慣れ親しんでいるデジタルネイティブ世代の生徒が関心を持ちやすくなる。

なお、本年で19回目の開催となる「札幌国際短編映画祭」では、同教材のリリースにあわせて「Yahoo!ニュース」がサポートを務めSDGsをテーマに3分のショートドキュメンタリーを募集する「Micro Docs部門」に、中高生でも応募できる「Micro Docs U18部門」を新たに開設する。この部門に、同教材で完成したドキュメンタリー作品で応募できる。校外コンテストへの参加のきっかけになるだけでなく、最優秀賞1作品と優秀賞4作品は映画祭で上映される。参加費は無料で、作品の応募は7月1日から9月6日まで受け付ける。

また、教材を終えて完成した成果物をトモノカイに提出すると、LINEヤフー認定の「修了証」が生徒向けに発行される。

近年、大学入試の方式として増えている学校推薦・総合型選抜入試などで、生徒が高校生活での自身の取り組みを語る際の材料として活用できる。

『映像で伝える探究ステップゼロ』(A4判、16ページ、フルカラー)は、第1弾の『ドキュメンタリーからはじめる探究ステップゼロ』(A4判、24ページ、フルカラー)とセットで販売され、販売価格は1100円。教師用指導解説書、追加ワークの付録付き(いずれもPDFデータ)。

© 株式会社翔泳社