中国、台湾離島近くの新たな航空路を運用開始 台湾は反発

Ben Blanchard Ryan Woo

[台北/北京 19日 ロイター] - 中国の航空規制当局は19日、台湾が実効支配する離島の金門島と馬祖島に近い新しい航空路の運用を開始したと発表した。

台湾当局は新航空路が両島に危険なほど接近していると指摘。台湾との協議なしに決定が下され、航空の安全上のリスクになるとして、新航空路を利用する航空機には引き返すよう求める考えを示した。

台湾当局は1月、中国が台湾海峡の中間線付近の飛行ルート「M503」を一方的に変更したと非難していた。

アモイと福州につながる新路線はM503に接続する。中国は1月、2つの航空路について、西から東へ、つまり台湾方面へのルートを開設すると発表していたが、いつから運用を開始するかは発表していなかった。

中国民用航空局は19日付の発表文で、これらのルートは現在運用中で、5月16日から福州空港周辺の空域を「さらに最適化する」と説明。詳細については触れていない。

飛行経路変更は中国沿岸部のフライトの「発展ニーズ」を満たし、安全性を確保するとともに、通常のフライトオペレーションを改善するのに役立つとしている。

台湾交通部(交通省)の民用航空局は事前の協議のない一方的な措置だとし、台湾領空における航空の安全に重大な影響を及ぼすと非難した。

中国と台湾の航空路の最も近い地点は金門島付近で1.1カイリと指摘。「中台の間の空域は非常に狭く、一定のリスクがある」との認識を示した。

中国の航空機が台湾の領空に接近した場合、中国の航空管制官が距離を取るよう誘導することを強く求めるとした。

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