嘉手納基地でパラシュート降下訓練 5カ月連続で米軍強行 沖縄県や周辺自治体が中止求める中【動画あり】

 米軍は19日午後2時ごろから、沖縄県の米空軍嘉手納基地でパラシュート降下訓練を実施した。少なくとも10人の米兵が同基地滑走路に降下した。県や基地周辺自治体が中止を求める中、昨年12月から5カ月連続で訓練を強行した。

 降下訓練は原則として、米軍伊江島補助飛行場で実施することになっているが、米軍は同飛行場の滑走路の不具合が継続していることなどを理由に嘉手納での訓練を「例外」として実施している。

 降下訓練では午後1時40分ごろ、外来機のHC130特殊作戦機1機が嘉手納の滑走路を離陸。午後2時ごろに5人、午後2時15分ごろにはさらに5人がパラシュートで降下した。

 1996年の日米特別行動委員会(SACO)最終報告で、読谷補助飛行場から伊江島補助飛行場への訓練移転合意後、訓練回数は今回で計19回に上った。

 木原稔防衛相は19日午前の記者会見で、同飛行場滑走路の改修時期について、米側が実施している地質調査の結果によって「今後の工期などが決まる」との見通しを示した。

 一方、降下訓練の全面禁止や県外・国外での訓練を求めている地元の嘉手納町議会や基地周辺自治体で構成する「嘉手納飛行場に関する三市町連絡協議会(三連協)」は、沖縄防衛局などに抗議する方針。

嘉手納基地でパラシュート降下訓練をする米兵=19日午後2時3分、嘉手納町役場から(竹花徹朗撮影)

© 株式会社沖縄タイムス社