「娘を暴行し殺したのに街を歩いている」…SNS上で元恋人の身元が拡散=韓国

「娘を殺した加害者は拘束もされず、今も街を歩いている」

元恋人に暴行された後、病院で治療を受ける途中に死亡した19歳の女子大生Aさんの母親が18日、キョンナム(慶南)地域の市民社会団体などの記者会見に出席し語った言葉だ。

Aさんの母親はこの日、慶南女性団体連合など地域の女性団体が慶南警察庁前で開いた記者会見で、「数年間付きまとい、暴行し苦しめた加害者により殺され、死んでからも楽になれず霊安室に横たわっている娘を思うと、胸がつぶれ息ができない」と涙を流した。

Aさんは今月1日、コジェ(巨濟)市で1人暮らしをしていた部屋で玄関の暗証番号を押し入って来た元恋人B氏に暴行され、外傷性硬膜下出血など全治6週間の診断を受け入院治療を受ける中、10日に死亡した。

当時、警察はB氏を緊急逮捕したものの、検察が「緊急逮捕の要件である緊急性に該当しない」との理由で緊急逮捕を承認しなかったため、在宅状態で捜査している。

国立科学捜査研究院はAさんの死亡原因がB氏の暴行によるものではないという口頭所見を警察に伝えた。精密検査の結果は長くて3か月かかるとみられる。

また、AさんはB氏と高校の同級生で、同じ大学、同じ学科に進学したが、2022年12月から今回の事件まで計12件のDV関連の通報があったことを警察は確認した。

この過程でもB氏の暴行に対しAさんが防御をしたり止めれば「双方暴行」になると伝えられた。

Aさんの母親は、「捜査当局は被害者と遺族が血をながしているのに加害者の人権ばかり守っている」と指摘した。

また、「国立科学捜査研究院に聞きたい。何の病気もなかった人が何もないのに10日後に敗血症で死ぬだろうか。暴力があったから多臓器不全という病気になったのではないか」と話した。

女性団体らは今回の事件が「ストーキング被害」だと主張し、加害者に対する強力な処罰を要求した。

女性団体らは、「B氏はAさんとの交際中にも何度も暴力を行使した」とし、「AさんはB氏の連絡を避けるため電話番号とSNSアカウントも変更したものの、B氏は友人らを通じ簡単にAさんを見つけ出した」と主張した。

オンラインではB氏に対する怒りの声が上がり、B氏の身元と写真が拡散されている。

警察はB氏らを相手に正確な事件の経緯を調査する一方、Aさんが死亡する前に家族らが付近の大学病院に転院させようとしたものの拒否されたことについても調査する予定だ。

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