家事のプロも推奨!大型連休中にやるべき家事とは?

日本で大掃除といえば、年末に行われることが多いのですが、欧米では春なんだそうです。冬のあいだに使っていた暖房器具をしまい、掃除をする習慣をスプリング・クリーニングといい、年間でもいちばん大掛かりな掃除をするのだとか。

日本でのスプリング・クリーニングはどうなんでしょうか。ハウスクリーニングの仕事に従事している掃除のプロ、土井恵子さんに聞いてみました。

GWは1年でもっとも掃除に適したタイミング

「私たちは1年中掃除をしているので、掃除に最適な時期というのがよくわかっています。それはズバリ、春の終わりから初夏にかけての時期なのです。日本ではちょうど大型連休のころが掃除に最適なんです」とのこと。

その理由は、気温が高いほうときほど汚れが落ちやすいからだそうです。しかし、あまりに気温が高いと熱中症になる危険もあり、真夏は掃除には不向き。

というわけで、大掃除をするなら大型連休中ということで、その手順などを土井さんに詳しく聞きました。

暖房器具を収納する前にやっておくべきこと

スプリング・クリーニングは元々、冬のあいだに暖房として使っていた石炭で煤けた部屋を掃除するためのものでした。それが転じて、年に一度の大掃除をする習慣になったそうです。
日本でも地域によりますが、暖房器具をしまうのは大型連休あたりという人が多いのではないでしょうか。
「暖房器具はきちんとお手入れをしてから収納しましょう。石油ストーブならば、灯油を使い切ってからしまうのがいいでしょう」と土井さん。収納の仕方でいちばんいいのは、買ったときの箱にしまって収納する方法だそうです。

「箱がない場合は、布などをかぶせて収納するとホコリなどがつきにくくなります」とのこと。

保管する場所は湿気の少ない場所がいいそうです。また、かならず水平に収納します。横にして収納はNGです。

キッチンまわりの油汚れを落とすなら今でしょう!

冬のあいだは気温が低いため、固まって落としにくかった油汚れ。気温が高くなった時期は、そんな油汚れを落とすのにピッタリなタイミング。とくにガスコンロやレンジフードの汚れなどはこの時期にぜひ掃除してください。

「ガスコンロの掃除は、まず五徳など取り外せるものはすべて取り外し、バケツにぬるま湯と重曹を入れて、つけおき洗をします。1時間ほどつけてください。その後、スポンジなどで五徳の汚れを取りましょう。ガスコンロ本体にも重曹水を吹きつけてキッチンペーパーやスポンジなどでこすります。このとき、必ずゴム手袋をして掃除してください。ガスコンロのこまかい部分などは使わなくなった歯ブラシなどを使って掃除をしましょう」。

もちろん気温の高い夏のほうが汚れは落ちやすいのですが、夏場はゴム手袋をして掃除をすると汗だくになってしまうので、夏前にやっておくのがおすすめだそうです。

体を動かす掃除こそこの時期にやっておきましょう!

掃除するのにいちばんたいへんな季節は夏だと土井さんは言います。

「とくに近年の夏は酷暑続きなので、掃除をするときには水分補給をし、休憩しながらでないと熱中症の危険があります。夏はいちばん掃除に適さないと行ってもいいでしょう。できれば、夏になる前にしっかり掃除をしておきたいところです」とのこと。

とくに体を動かす、床の掃除や天井の掃除などはこの時期にやっておくといいでしょう。また、体力を使う掃除といえば、浴室やトイレなどの水まわりの掃除です。これもこの時期に徹底的にやっておくといいのだと土井さんは言います。

「一度徹底的に掃除をして、あとは日々の軽い掃除を継続するというのが浴室やトイレの掃除には有効です」とのこと。毎日軽い掃除を続けるのがポイントですね。

花粉や黄砂が飛ぶこの時期はベランダや玄関の掃除も忘れずに!

春から初夏にかけてのこの季節は花粉や黄砂が飛んでくるので、室内と外をつなぐベランダや玄関の掃除をしておくといいそうです。

「冬は水を使った掃除はおっくうになりがちでした。そこで、気温が上がったこの時期、水を使い、窓ガラスや網戸などを掃除しましょう」

水で洗い流すことで、飛来してきた花粉や黄砂を洗い流します。また。玄関は、丸めた新聞紙を少し水に浸して置いておきます。それをほうきで掃いていけば、新聞紙に花粉や黄砂が付着してくれるのであとは、新聞紙をちりとりですくって捨てればいいのです。

また、室内にも花粉や黄砂が入り込んでいる可能性があります。ふつう、掃除の段取りは上から下ですが、この時期はまず、ぬれた雑巾で床を拭いてください。

エアコンの掃除と作動チェック!

エアコンはなんとなく使用頻度が低くなり、そのまま放置している人はぜひ気をつけてください。

「まず、冬の間、暖房でエアコンを使っていたかたはぜひ掃除をしてください。フィルターを取り外すことができます。水洗いなどしてしっかりホコリを取りましょう。フィルターをもどす際はしっかり水気を切り、乾燥させてから装着してください。そうしないとカビが発生する原因ともなります」。

また、吹き出し口に割り箸にキッチンペーパーを巻きつけたものを突っ込んで掃除する方法もあります。しかし、内部の掃除をするのはたいへんなので、業者に頼んだほうがいいと土井さんは指摘します。

冬に暖房を使った人もそうでない人もぜひこの時期にやっておいてほしいのが、エアコンの冷房の動作確認です。実はエアコンの修理依頼などは夏のはじめが多いのです。いざ使おうと思ったときに使えないことに気づき、業者に修理を依頼するからです。

しかし、この時期は依頼が殺到するので待たされることになります。それを防ぐためにも早めの動作確認が必要です。

まとめ

土井さんによれば、1年のうちで掃除に最適なのは大型連休ごろとのこと。できればこの時期にいちばん大掛かりな掃除をし、その他の季節は日々少しだけの労力で掃除を続けるたほうが、いいんだそうです。

みなさんもスプリング・クリーニングをやってみませんか。年間の掃除スケジュールを見直してみるのもいいかもしれませんね。

◆教えてくれたのは・・・土井恵子さん
アパートやマンションの原状回復工事、在宅ハウスクリーニングを請け負う会社に長年勤務したのち独立。現在はフリーでハウスクリーニングの業務に携わっている。

◆監修・文/増田剛己
WEBや雑誌などで散歩関係の記事を書いているフリーライター。主な著書に『歩考力』(ナショナル出版)、『思考・発想にパソコンを使うな』(幻冬舎新書)などがある。

※記事の内容は記載当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

© 株式会社ベネッセコーポレーション