窓口相談で「安心」が魅力? ゆうちょ銀行の新NISA、購入金額1位のファンドは…

2024年3月、ゆうちょ銀行で多くの資金を集めたのは以下のファンドだった。

ゆうちょ銀行ではインデックスファンドが人気

ゆうちょ銀行では、S&P500種株価指数や日経平均株価に連動するインデックスファンドの人気が高い。ゆうちょ銀行のインデックスファンドが人気の理由は、少額から投資が可能な手軽さと、身近な窓口で相談ができる安心感にある。積立投資では1000円からの購入が可能であり、投資初心者も窓口の職員に相談しながら投資を開始することができる。さらに、「つみたて先進国株式」や「大和ストックインデックス225ファンド」など人気の高い商品を取り扱っており、国民的金融機関としての知名度と信頼性も魅力となっている。ただし、ネット証券に比べて取扱銘柄数が少ないため、投資の選択肢が限られるという欠点もある。

ゆうちょ銀行のインデックスファンドは、その手軽さや信頼性から多くの支持を集めているが、手数料面などのデメリットもあり、自身の投資方針に合致するかを慎重に検討する必要がある。投資初心者には魅力的な選択肢と言えるが、より専門的な投資を求める人には物足りない場合があるだろう。

バランスファンドもランキング上位に

ゆうちょ銀行では、バランスファンドの人気も高い。ゆうちょ銀行でバランスファンドが人気である主な理由は、リスク分散効果の高さと投資初心者にも取り組みやすい点である。バランスファンドは、国内外の株式、債券、REIT(不動産投資信託)など複数の資産への分散投資を行うことでリスクの軽減が期待される。さらに、専門家が投資バランスを調整するため、投資知識が乏しい初心者も容易に始めることができる。

定期的な資産配分の調整(リバランス)により、投資家自身が資産配分を意識することなく運用が可能である点、株式と債券をバランス良く組み合わせることで安定的なリターンを目指せる点も、人気の理由である。ゆうちょ銀行の人気ファンドランキングにおいては、「野村6資産均等バランス」や「JP4資産バランスファンド」などのバランスファンドが上位に位置している。

しかし、バランスファンドはインデックスファンドと比較して信託報酬などの手数料が高い傾向にあり、投資家自身で資産配分の調整が行えないというデメリットが存在する。さらに、複数の資産に投資しているため、価格変動の要因が把握しにくいという欠点もある。

ゆうちょ銀行のバランスファンドはリスク分散と運用の容易さから支持を集めているが、手数料の高さなどのデメリットも考慮し、自身の投資方針に適合するかを慎重に判断する必要があるだろう。

ゆうちょ銀行の新NISAの特徴

ゆうちょ銀行の新NISAは、投資初心者でも安心して始められるよう、窓口での相談サービスを提供している。人気の高いインデックスファンドやバランスファンドを厳選して取り扱い、選択のしやすさも魅力の一つである。また、1000円からの積立投資が可能で、少額からのスタートが可能であることもメリットである。

さらに、2024年9月30日までの期間限定で、一定額以上の投資で最大10万円が当たるキャンペーンを実施しているほか、投資信託診断ツールを用意し、質問に答えるだけで自分に合ったファンドを提案してくれるサービスもある。

しかし、取扱銘柄数が15本と限られており、選択肢が少ないのがデメリットである。さらに、同じファンドであってもネット証券に比べて信託報酬が高めに設定されており、ゆうちょダイレクトやアプリ以外での購入時には手数料が発生する。

ゆうちょ銀行の新NISAは、投資初心者に優しい仕組みやキャンペーンが魅力であるが、商品の少なさや手数料の高さといった課題も存在する。自身のニーズに合致するかを慎重に吟味し、メリットとデメリットを踏まえた上での活用を検討するようにしたい。

山下 耕太郎/金融ライター/証券外務員1種

一橋大学経済学部卒業後、証券会社でマーケットアナリスト・先物ディーラーを経て個人投資家・金融ライターに転身。投資歴20年以上。現在は金融ライターをしながら、現物株・先物・FX・CFDなど幅広い商品で運用を行う。ツイッター@yanta2011

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