ジェイソン・デイがアイアンをスリクソンに変更したワケ

「ヒューストンオープン」からスリクソンのアイアンを投入したジェイソン・デイ(GolfWRX)

ジェイソン・デイ(オーストラリア)は今季PGAツアーで「AT&Tペブルビーチプロアマ」6位、「ザ・ジェネシス招待」9位など3度のトップ10を果たしている。ただ、優勝できていない理由があるとすれば、そのひとつはアイアンプレーになるだろう。

「マスターズ」終了時点で“飛んで曲がらない”指標となるトータルドライビングは20位。各プレーのスコア貢献度を示すストロークゲインド(SG)のトータルは34位で、SGパッティングは43位。一方でSGアプローチ・ザ・グリーンは141位に沈み、グリーンを狙うショットの精度に課題が出ている。

過去12カ月間にわたり、デイはギアについて試行錯誤してきた。以下は、2023年5月「ウェルズファーゴ選手権」以降のアイアンセットの変遷である。

・2023年5月:テーラーメイド P770(4番)、P7MC(5番~PW)
・2023年8月: テーラーメイド P770(4番)、P7TW(5番~PW)
・2024年2月:テーラーメイドP760(4番~PW)

スリクソン ZX5 MkIIの3番アイアン(GolfWRX)

クラブ契約フリーで完璧なアイアンセットを模索する中、マスターズから2週前の「ヒューストンオープン」でアイアンをスリクソンの複合セットにスイッチした。現在は「スリクソンZX5 Mk II」のロングアイアン(3、4番)、「スリクソンZX7 Mk II」のミドル、ショートアイアン(5番~PW)を使用している。

「RBCヘリテージ」開幕前、デイはGolfWRX.comにアイアン変更にはスピン量を抑える狙いがあったことを明かした。

「僕にとって、(スリクソンのアイアンは)ややスピン量が少ない。フェアウェイバンカーからのショットもかなり良いね。まだ、ラフからはそこまでたくさん打っていないので、どう出てくるは、これから見定めなければならないけれど、重要なのはスピンコントロールなんだ」

同じくスリクソン ZX7 MkIIの8番アイアン(GolfWRX)

「僕は以前のモデルから(ZX7を)テストしていたんだけど、クラブはワンセットしか持っていなくて、スピン量に一貫性がなかった。少なくとも、もう一度くらい(スリクソンを)試してみようと思った。最も大切なのは、スピン量を落とすこと。えらいことになっていたから」。高弾道ヒッターのデイには、より良いコンロールを求める上で、スピンは必ずしも“友達”ではないのである。

新しいスリクソンのアイアンには、使い慣れた超硬めのトゥルーテンパー ダイナミックゴールドX7シャフトを装着しているが、これもスピンを抑えることで知られたシャフトだ。

(協力/ GolfWRX, PGATOUR.com)

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