「タケは大きな進化を見せている」ソシエダ主将が久保建英を語る。アジア杯離脱、移籍、人間性...「まず驚いたのは――」【インタビュー】

レアル・ソシエダのキャプテン、ミケル・オジャルサバルは、選手として、人間としてタケ・クボ(久保建英)を称賛し、この先何年もクラブにとどまることを確信している。

――この時期になるといつも同じことです。タケ、スビメンディ、メリーノ、ロビン(・ル・ノルマン)がソシエダを出て行く可能性があると思われています。彼らがアノエタでプレーし続けることを、少なくとも奪われないことを祈るしかありません。

「様々な噂が飛び交うのはサッカーの一部で、僕たち選手もその片棒を担いでいる。その時が来れば、分かることだ。最終的には、誰もがどうするか見ることになるはずだ」

――ソシエダが多くのものを与えてきたことを念頭に置かなければなりません。

「そうだね、ソシエダは多くのものを与えてくれた。僕にもね。それにタイミングというものもある。それぞれがどうするかは分からないけど、確かなのは、彼らの決断をリスペクトしなければならないこと。可能なら、今シーズン、チームを構成する全ての選手に残ってもらいたいけれど、サッカー界は移り変わりが激しい。チームも常に変わっていく。リスペクトすること、誰かを責めるのではなく、サポートすることが重要だ。今はシーズンが佳境を迎える中、全員がプレーに集中している。夏が来れば、どうなるかは分かる。今は誰も何も分からない」

[(https://www.soccerdigestweb.com/news/detail2/id=151233)【動画】リーガ公式が「久保のマジック」と称賛した圧巻の“背面股抜き”
――タケの最も驚いたことは?

「まず驚いたのは、彼の人間性だ。過去に何度か対戦したことはあったけど、面識はなかった。日々の生活の中で、ドレッシングルームにたくさんの喜びをもたらしてくれる。選手としてはすで能力の片鱗を見せていた。いまソシエダで培った自信を糧に最大限の力を発揮している」

――タケのこの2年の成長をどう見ていますか?

「タケは常に1対1の勝負を挑み、決定的なチャンスを作る。大きな進化を見せている。守備でも献身的にチームに貢献するけど、あらゆる面でまだまだ向上の余地がある」

――課題を挙げるとすれば?

「課題とまでは言わないけれど、まだ若く、あらゆる面で改善することができるのは事実だ。フィジカル能力の向上もその1つで、今以上にスプリントを繰り返すことができるようになれば、ドリブルで相手を置き去りにする機会も増えるはずだ」

――アジアカップの離脱は大きかった?

「アマリ(・トラオレ)のアフリカネーションズカップの離脱とも重なったから余計にね。右サイドで常時縦関係を築いている2人を欠くことになった。どんなチームでも影響を受けることで、ましてや僕たちはラ・リーガで欧州カップ戦の出場圏内をキープしようと戦いながら、コパ・デル・レイでも勝ち進んでいた。最終的に準決勝まで勝ち上がったけど、2人が蓄積した疲労に加えて、彼らがいないことで他の選手の負担が増え、それがその後の戦いに影響した可能性はある」

――タケの人柄は? 何かピッチ外でのエピソードはありますか?

「特定のエピソードに絞りたくはない。とてもナイスガイで、一緒にいてとても楽しい。常に笑顔を絶やさず、オープンな性格で、ピッチ上で与えてくれるものとは別に、チームにたくさんの喜びをもたらしてくれる」

――ビッグクラブから関心を集めていますが、オファーが来たら、キャプテンとして残留を説得しますか?

「タケがソシエダにコミットしていることは2029年まで契約を延長したことからも明らかだ。これからもソシエダを助けたいと望んでくれていることをキャプテンとしてとても嬉しく思う。今、そして近い未来、ソシエダが最高の場所であると考えてくれていることもね」

インタビュアー●ミケル・レカルデ(ノティシアス・デ・ギプスコア)
翻訳●下村正幸
※ノティシアス・デ・ギプスコアの許可を得て、インタビューを掲載しています。

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