【MLB】元日本ハムの助っ人勢が語る水原一平容疑者 「ギャンブルの兆候? イエスともノーとも言えない」全員、献身ぶりには感謝

スポーツ専門局『ESPN』は17日(日本時間18日)、「大谷の通訳・水原はいかにして選手のライフラインになったか」と題して記事を公開。かつて北海道日本ハムファイターズでプレーし、水原一平容疑者が通訳として担当した3人に取材し、その声を掲載した。通訳と選手として密接に関わった彼らの目に、同容疑者の姿はどう映っていたのだろうか。

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■「日本でミズハラは命綱だった」

スポーツ賭博を巡り、ドジャース大谷翔平投手の銀行口座から胴元宛に不正な送金を行ったとして銀行詐欺の疑いで訴追された水原一平容疑者。『ESPN』は今回、同容疑者が日本ハムの通訳時代に関わった3人の声を紹介した。

マイケル・クロッタ元投手は2014年に来日。札幌に到着してからは、毎日のように同容疑者と顔を合わせたという。「電車の乗り方や移動手段を教えてもらい、何度も食料品店に一緒に行き、日本語で書かれている商品の説明を受けた」と振り返り、「This is what this says(ここにはこう書いてあるよ)」というフレーズが耳に残っていると話した。

特に記憶に残っているエピソードとして、クロッタ夫人と息子が来日した際の話を紹介。「成田空港でのトランジットが大変だろうからと、彼は札幌から成田へ飛び、彼女たちをサポートしてくれた。そこまでしてくれるとは思いもしなかった。チームの指示ではなく、業務外だったんだ。でも彼はやってくれた。彼はそういう男だった」と明かした。

「日本でミズハラは私の命綱たった」と話したのは、2015年に日本ハムでプレーしたミッチ・ライブリー元投手。「通訳は文字通り選手たちの延長線にいる。日本ではコミュニケーション手段もないし、(銀行口座の開設など)書類作成もできない。通訳なしでは生きていけなかった。私はミズハラをチームスタッフとしてではなく、友人として見ていた」と振り返った。

■「脅迫に対処するのに忙しい」

ライブリー元投手は引退後も同容疑者とメールなどでやり取りしていたが、事件発覚後は連絡を取っておらず「彼は殺害の脅迫に対処するのに忙しいんだと思うよ」とドライに言い放ったという。また、「イッペイとギャンブルで何か兆候はあったのか」との問いには「イエスともノーとも言えない。思い出したくないというのもある。とにかく、彼がギャンブルについて話すのを聞いたことは一度もない。それに、それは意味ないと思う。だって依存症とはそういうものだろう。人には話さない、隠すんだ」と答えた。

16、17年と日本ハムでプレーし、パ・リーグ制覇にも貢献したクリス・マーティン投手(レッドソックス)は、アスレチックス戦を前にクラブハウスで取材に対応。「あまり話すことはできないね、だって何も知らないから。ニュースに映るイッペイの姿を見て、私と妻は顔を見合わせて、信じられないとつぶやいたよ。私たちはショックを受けた。窃盗ということが我々を困惑させる。もちろん事情は変わり、人も変わる。それでも私は理解できない」と動揺を隠せないようだったという。

同投手によれば、日本ハム在籍時に夫人が妊娠。同容疑者は2人の通院に付き添い、超音波検査にも立ち合って医師の説明を通訳し、伝えてくれたのだという。

献身的な仕事ぶりで外国選手の信頼を得ていた同容疑者。今回の事件を受けて、かつて苦楽をともにした選手たちのショックも大きいようだ。

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