演歌の大江裕さん「歌で北島三郎師匠に恩返し」 デビュー15周年、男の哀愁で新境地 沖縄で新曲PR

「国際通りで気さくに『大江君』と声をかけてもらえるのがうれしい」と笑顔を見せる大江裕=3月29日、沖縄タイムス社

 デビュー15周年を迎えた演歌歌手の大江裕が3月29日、沖縄タイムス社を訪れ、最新曲「高山の女(ひと)よ」をPRした。岐阜県高山市の春と秋の「高山祭」をテーマに、旅先で知り合った女性との出会いと別れを切なく描く本格演歌だ。大江は「男の哀愁を歌わせていただいた。今までは元気いっぱいな歌が多かったが、新たな大江裕を見ていただこうと、しっとりとした歌になった」と話した。

 1989年、大阪府生まれ。テレビ番組「さんまのスーパーからくりTV」への出演がきっかけで、憧れの北島三郎と出会い、2009年に「のろま大将」でデビュー。「15周年の節目に、演歌の魅力を皆さんに伝えていきたいという気持ちが高まってきた」と振り返る。

 2月14日に発売された「高山の女よ」は高山市を歌ったご当地ソング。兵庫県の城崎温泉が舞台だった前作「城崎しぐれ月」に続き、さくらちさとが作詞、岡千秋が作曲を手がけた。「『城崎しぐれ月』も皆さんに愛していただいたが、『高山の女よ』は歌手仲間からも『いい曲を歌っているね』『歌ってみたい』という声がかかる」と手応えを感じている。

 23年には師匠である北島の事務所から巣立った。「離れて改めて北島先生の素晴らしさ、大きさが分かった。環境は変わったが、歌うことは変わらない。先生に『裕は頑張っているな』と思っていただけるよう日々を過ごしたい。恩返しをしたいという気持ちだ」と心に期する。「明日はどうなるか分からない時代だから、今日を一生懸命歌おう。僕はそういうタイプだから」と力強く語った。(社会部・真栄里泰球)

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