「大きなショック」テスト点数を教師が同級生に共有、元生徒が提訴

大津簡裁

 テストの点数を教諭が同級生に共有したのはプライバシー侵害にあたるとして、滋賀県立高校の元男子生徒が19日、県を相手に慰謝料50万円を求める訴えを大津簡裁に起こした。

 訴状などによると、元生徒は県立高に通っていた1月、英語の補習テストを受けた。担当の教諭が採点後、教育支援アプリのグループ機能を使って、元生徒を含む計5人の名前と点数を一覧にした内容をそれぞれに共有した。

 元生徒は学習に困難を抱えており、これまでも成績を理由に周囲からからかわれることがあった。教諭によって点数が他の生徒に知られることになり、さらに苦しみを抱えるようになったとしている。

 元生徒の母親は提訴前の取材に対して、「本人は大きなショックを受けた。学校には個人情報の取り扱いに緊張感を持ってもらいたい」と話した。

 学校側は、配慮が足りなかったことを認めた上で、元生徒に謝罪した。県教育委員会は「学校に再発防止を指導した。訴状の内容を確認し、適切に対応したい」としている。

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