性能調整変更でも『ポルシェが本命』とフェラーリのフォコ「僕らには少し厳しいコース」/WEC第2戦

 フェラーリAFコルセのドライバー、アントニオ・フォコは、WEC世界耐久選手権第2戦に向けてフェラーリ499PのBoP(性能調整)が好転しているにもかかわらず、イモラでもポルシェが本命になるだろうと信じている。

 ポルシェ963は超スムーズで高速なルサイル・インターナショナル・サーキット(カタール)での開幕戦で真価を存分に発揮し表彰台を独占した一方、フェラーリは3台の499Pで忘れ難い週末を耐え抜いた。

 フォコとチームメイトのミゲル・モリーナ/ニクラス・ニールセンがドライブする50号車フェラーリ499Pは、ファクトリーエントリー車両の最高位である6位でフィニッシュ。これは、イーフェイ・イェ/ロバート・シュワルツマン/ロバート・クビサがドライブした“3台目”のフェラーリ83号車に、ふたつ及ばないポジションだった。

 イモラはルサイルに比べてバンピーな路面と低速コーナーを多く持つのが特徴だが、ハイパーカークラスのBoPはカタール以来大幅な調整を受けており、なかでもフェラーリ499PとトヨタGR010ハイブリッドは最大のウエイトブレイクを果たしている。

 しかしフォコは、499Pはイモラ・サーキットには理想的には適していないと考えており、フェラーリのホームレースでの大幅な勢力図変動には期待していないと考えている。

「コースの特徴を考えると、僕らにとっては少し厳しいコースになると思う」とフォコ。

「ヘアピンや低速コーナーが多いので、今年の残りシーズンにレースをするコースと比べると少し違う」

「僕らはここでレースをしたことがないので、GTに関しても何を期待すべきか分からない。僕らは11月にここでテストをしたけど、イタリアの11月は寒くて雨が多いため、状況は異なった。いまは天気が非常に変わりやすいし、太陽が顔を出し、気温が急速に上昇する季節だ」

「何が起こるかを知るのは難しい。とてもトリッキーなタイプのトラックだと思う。トラフィックのなかでは、ちょっとしたミスで大損害を被る可能性がある。ティフォシたちが見るのは楽しいだろうが、僕らにとっては難しいことだと思う」

 イモラで勝利をつかむ最高のチャンスは誰にあるのかという点で、フォコは次のように付け加えた。

「ポルシェは昨年を通じて、非常に強かった。彼らはレースごとに改善を続け、その後(2024年開幕戦の)カタールでも優勝した。確かに彼らは、優勝候補としてこのサーキットに乗り込んでくる」

「しかし、キャデラックやトヨタももちろん(優勝争いに)加わるだろう。 そして、誰がより良く仕事ができるかを、見極める必要がある」

2024年WEC第1戦カタールを制したポルシェ・ペンスキー・モータースポーツの6号車ポルシェ963

■「勝つのはまだ難しいと思っている」とトヨタ首脳

 今週末の天気予報では、土曜日の予選中に雨が降る可能性が高いと示唆されているが、決勝がウエットとなる可能性は低くなったようだ。

 雨の中でフェラーリがライバルたちと比べてより競争力があると思うかと問われたフォコは、「いまはそれを言うのは非常に難しい」と答えている。

「最後に雨が降ったのはル・マンの夜だったし、それ以来多くのことが変わった。ドライとウエットのどちらでより競争力を発揮できるかは分からない」

 一方、トヨタサイドは、イモラでは開幕戦に比べてより競争力のあるショーを期待しているものの、ハイパーカープロジェクトリーダーのジョン・リッチェンスは、シーズン初勝利はまだ難しいと感じている。

「サーキットのレイアウト自体は、カタールよりもクルマに少し合っていると感じているが、確かにここではもっと気温が上がることを期待していた」とリッチェンスはSportscar365に語った。

「新しいBoPが発行されたため、マシン(のポテンシャル)が少しシャッフルされた。私は、ここで勝つのはまだ難しいと思っているが、勝利こそが我々がここにいる目的だ」

 カタールと比較して競争力の面で大きな変化が予想されるかとの質問に対し、リッチェンスは次のように答えた。

「そうは思わない。(ポルシェは)我々にもう少し近づいてきているはずで、それほど離れてはいないが、それでもまだ彼らの方が前にいると思う」

イモラ・サーキットで準備を進めるトヨタGAZOO RacingのGR010ハイブリッド

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