アドビ、「Acrobat AI Assistant」(英語版)の一般提供を開始。PDFはじめドキュメントの生産性を向上

アドビは、Acrobat Reader、Acrobat デスクトップ版、webアプリおよび今回ベータ版として追加するモバイル版アプリにおいて、月額4.99ドルからの追加のサブスクリプションで。「Acrobat AI Assistant」の機能の一般提供を開始した。

あらゆるドキュメントを対象に、よりスマートかつ幅広い作業が可能に

Acrobat AI Assistantは、Acrobat ReaderとAcrobatのワークフローに深く統合された、生成AIベースの最新の対話型エンジン。AI Assistantは、生成AIをマスマーケットに提供し、全世界の約3兆ものPDFの情報から新たな価値を引き出す。

Adobe Document Cloudのシニアバイスプレジデントであるアビギャン・モディ氏は次のようにコメントしている。

モディ氏:確定申告、契約書の共同作業、研究論文の作成や共有などにも活用されているAcrobatは、PDFのプラットフォームとして信頼されています。Acrobat AI Assistantは、世界中の何十億人もの人々にドキュメントを読むことから対話をすることへとシフトする力を与え、あらゆる種類のデジタルドキュメントから素早く簡単に洞察を得て、コンテンツの書式を設定して共有できるように変革します。

kAcrobat AI Assistantでドキュメントの種類にかかわらず生産性を向上

Acrobat AI Assistantにより、ユーザーは、PDFおよびその他のドキュメント(Word、PowerPoint、会議の議事録等)を利用し、より生産的に作業を遂行できる。

  • AI Assistant:PDFおよびその他のドキュメントとチャットできる。AI Assistantが直感的な対話型インターフェースを通じて質問を提案し、PDFの内容に応じて回答
  • サマリーの生成:読みやすい書式かつ手短な概要により、長文ドキュメントの内容の迅速な理解を可能にする インテリジェントな引用:アドビのカスタマイズしたアトリビューションエンジンと独自のAIによって引用を生成するため、ユーザーはAI Assistantの回答の情報ソースを容易に確認できる
  • わかりやすいナビゲーション:クリック可能なリンクにより、長文ドキュメントの中から必要な情報を素早く見つけることができるため、最も重要な情報の探索とアクションに時間を費やすことが可能
  • 魅力的なコンテンツ:情報を統合して書式を設定することで、電子メール、プレゼンテーション、ブログ、レポートなどの利用目的に合わせて重要ポイントとテキストを作成。「コピー」ボタンにより、魅力的なコンテンツを簡単に作成し、共有できる
  • 顧客データの尊重:Acrobat ReaderおよびAcrobat AI Assistant機能は、データセキュリティプロトコルによって管理されており、ユーザーの同意なく、顧客のドキュメントの内容が保存されることや、AI Assistant のトレーニングのために使用されることはある

Acrobat AI Assistantにより、ナレッジワーカーは長時間の会議の書き起こしから重要ポイントや行動リストを要約でき、アナリストは調査レポートの重要な調査結果を素早く浮き彫りにして共有できる。また、営業担当者は提案依頼書(RFP)用の技術文書の重要情報を素早く特定し、顧客の弱点を学習し、自社の戦略やプレゼンテーションに役立てることが可能。消費者は長文の契約書や合意書の中から保証に関する条件を容易に特定でき、教師や学生は学習ガイドを作成できる。

あらゆるプロセスでAI Assistantを活用

Acrobat AI Assistantは、2月にベータ版として、Acrobatデスクトップ版とwebアプリで公開された。アドビは今回、Acrobat AI Assistantをモバイル版とブラウザー拡張機能に導入し、あらゆるプロセスでの使用できるようになる。

音声コマンド対応のAcrobat AI Assistantのモバイル版(現在はベータ版)では、ユーザーはAI Assistantに話しかけて質問への回答やドキュメントの要約などを依頼できる。この最新版モバイルアプリにより、Acrobat AI Assistantは、ユーザーの場所を問わず貴重なインサイトと情報分析を提供し、電子メール、学習ガイド、ブログ記事などの高品質コンテンツを、スマートフォンに話しかけることで容易に作成できる。

また、Acrobat AI Assistantは、Google ChromeとMicrosoft Edgeの拡張機能を通じて提供されており、ユーザーはweb検索の内容を素早く理解し、瞬時にアクションを取ることが可能。

学校の発表やビジネスの新たなアイデアなどの目的でリサーチを行う際、大半のユーザーは最初にweb検索を行う。そして、オンラインで見つかる最も貴重な情報の大半は、PDFに格納されています。Acrobat AI AssistantはChromeとEdgeのユーザーに対し、ブラウザーを一切離れることなく、読みやすい書式で回答や概要を素早く提供する。

PDF用の生成AIで信頼を構築

PDFは、個人や組織が最も重要な情報を保持するフォーマットだ。アドビがPDFを提供開始してから30年が経った今でも、AcrobatはPDFの読み取り、編集、変換のスタンダードでいる。Acrobat AI Assistant は、数々の受賞歴を誇るLiquid Modeと同じ人工知能と機械学習モデルを活用することで、PDFの構造と内容を独自に理解し、AcrobatのAI Assistantのアウトプットの品質と信頼性を大幅に高め、サードパーティLLMのテクノロジーを補完している。アドビのカスタマイズしたアトリビューションエンジンによって引用を生成することで、ユーザーは回答の情報ソースを容易に確認できる。

アドビの他のAI機能と同様、Acrobat AI AssistantもアドビのAI倫理プロセスに準拠して開発されており、個人から世界有数のエンタープライズまで、あらゆるユーザーが安心してAI機能を利用できるよう、ガードレールを設けている。サードパーティLLMとの連携に関して、アドビは非依存型のアプローチを採用しており、顧客のさまざまなユースケースに対応する業界最高水準のテクノロジーを使用している。アドビは、サードパーティのLLMがアドビの顧客データに関するトレーニングを行うことを禁止している。

価格と提供時期

Acrobat AI Assistantの全ての機能は、無料のReaderのおよび有料の個人向けAcrobatにおいて、2024年6月5日までの早期アクセス価格4.99ドルで、追加のサブスクリプションを通じて利用できる。Acrobat AI Assistantのサブスクリプションプランは、英語のデスクトップ版とwebで利用可能であり、他の言語も順次追加される予定。Acrobat ReaderのAI Assistant(ベータ版)は、期間限定で英語版を無料で利用できる。

© 株式会社プロニュース