【兵庫編】注目!“きになる!地元で光る人”

街には、人と人をつなぎ、地元の活性化に貢献するイベントや取り組みを行うキーパーソンがいます。そんな“きになる!地元で光る人”に注目。大阪公立大学准教授で行動する社会科学者の菅野拓先生に、どういった人が街のキーパーソンになりうるのかを聞きました。

【尼崎市】あままままるしぇ実行委員長出典:リビング兵庫Web▲勵さん(左)=結婚を機に尼崎に。他市に転居後も“あま”ラブな2児のママ 仁保さん(右)=おいしいものを探しての散策が好きママたちのチャレンジ、みんなで応援“尼崎のママ”によるマルシェイベント「あままままるしぇ」。ハンドメイド雑貨などを制作するママたちの“お仕事へのファーストステップ”になればと初代の主宰者が約8年前に立ち上げ。勵さんと仁保さんは、その後、実行委員会形式になった運営に携わるようになり、今年から委員長に。マルシェには「出店するママやその家族も含め、来てくれる人みんなが楽しめるように」(勵さん)と、販売ブースのほかフードブース、子どもたちが楽しめるワークショップなども。過去には荒天での当日中止やコロナ禍での開催可否検討といったピンチもあったそうですが「次回も楽しみ」という声を聞くとやっぱり嬉しくなるそう。「尼崎はチャレンジする人を応援する空気感が強く、企業や団体のみなさんも協力的。ぜひ遊びにきてください」(仁保さん)。出典:リビング兵庫Web▲今年は10月26日(土)に開催予定。詳細は決まり次第発表されますきになったら…【インスタグラム】あままままるしぇ-----------------------------------------【伊丹市】一般社団法人GREENJAM 代表理事music&culture neonM代表出典:リビング兵庫Web▲福島県生まれ。伊丹市育ち。2014年から地元・伊丹で「市民表現のプラットフォーム」と位置づけた野外音楽フェス「ITAMI GREEN JAM」をスタート多彩な人が集う光景のために環境づくりを野外音楽フェス「ITAMI GREEN JAM」を2014年に立ち上げた大原さん。企画当初は“地元市民のセントラルパーク”昆陽池公園でフェスをという思いと、過去に神戸のフェスに携わった経験から自分たちにもできるという“勘違い”からだったそう。実現に向け東奔西走しているうち、「例えば『ステージ装飾できます』と申し出てくれる人には“初めまして”でもお願いする。そうすると結果的に幅広い年代の地域住民やアーティストなど、普段全く関わりがないさまざまなコミュニティの人たちがひとつの祭りを作る集合体となっていて。その光景に感動した」そう。それは、昨年開催の10回目まで続ける原動力にもなったとのことで、同フェスは関西最大級のローカルフェスへと成長。今後は「地域の衰退は人材不足も一因ではないかと思う」と、大原さん自身は引き続き裏方として、お店をしたい人に物件を貸し出す事業や、地域団体などに活動資金を供給するための事業を興すなど、多彩なコミュニティやにぎわいを増やす環境づくりにも注力していくそう。出典:リビング兵庫Web▲「ITAMI GREEN JAM」のライブエリア(過去の様子)-----------------------------------------【西宮市】苦楽園ストアーズミーティング会長出典:リビング兵庫Web▲生まれも育ちも夙川・苦楽園。越木岩筋で約24年営んできたアメカジショップ「RAT ☆ RACE」は、5月15日(水)、夙川エリア(大谷町)に移転ショップ同士の絆で苦楽園&夙川を元気に夙川の夜桜を楽しめる「さくらライトアップ苦楽園」をはじめ、苦楽園・夙川エリアで数々のイベントを手掛ける「苦楽園ストアーズミーティング」。2011年の発足時から運営に携わる小川さんは、「越木岩神社の伝統行事“泣き相撲”に何千人もが訪れると聞き、界隈にも立ち寄ってほしいと散策マップを作ったことが始まり」と話します。マップ作りの集大成が、1月に発行した情報誌「Go-En(ゴエン)」。街をよく知るメンバーが地域の楽しみ方を紹介した雑誌のような一冊に、大きな反響があったそう。今年も、夏休みの子ども向けお仕事体験や、秋のハロウィーンイベントなどを開催予定。“市内最大級の商店会”として約190店の規模を誇るも、「仲の良さが自慢です。誰かの『やりたい』との声で、みんなが集まります」。店主同士が心地よくつながり、街のワクワクを生み出します。出典:リビング兵庫Web▲西宮観光協会との共催に発展した「さくらライトアップ苦楽園」きになったら…苦楽園ストアーズミーティングのWebはこちら-----------------------------------------【宝塚市】山本おさんぽマルシェ代表出典:リビング兵庫Web▲「手作り雑貨と手芸cafe コトリエ」の店主。今年10月に10周年を迎えるコトリエでは、記念イベントを計画中お散歩したくなる山本の魅力を集めて「阪急山本駅周辺には、女性のみで運営する小さいお店が点在しています。おしゃべりに立ち寄る地元のお客さまも多いので、お散歩がてらのんびり回ってほしい」と、自身も界隈で雑貨店を営む矢島さん。街を知ってほしいと、2019年に仲間の店主とともに「山本おさんぽマルシェ」の活動を始めました。駅近くの長尾ふれあい広場を中心に、不定期で行うマルシェのほか、昨年45店が参加したスタンプラリーなど、イベントを機に市外から訪れる人も増えたそう。また街歩きにぴったりの「山本おさんぽMAP」も評判です。運営メンバーの「めぐる八百屋 オガクロ」の常連客だったイラストレーター、つのむらじゅんこさんがデザイン。問い合わせが多く、参加店のほか市役所や公民館でも配布するように。街の魅力は市内外に浸透しつつあります。出典:リビング兵庫Web▲今年も開催予定のマルシェ。つのむらさんのイラストを目印にきになったら…【インスタグラム】山本おさんぽマルシェ-----------------------------------------【芦屋市】芦屋市民まつり協議会実行委員長出典:リビング兵庫Web▲本業は、芦屋・西宮で展開するクリーニング店経営。20代の頃から30年近く「芦屋サマーカーニバル」の運営に携わる「花火のある芦屋」を次世代につなぐ今年46回目となる「芦屋サマーカーニバル」は、もとは地域の夏祭りからスタート。「花火ショーとして一大イベントになった今も、コンセプトは“市民がつながる場づくり”です」と、企画運営を担う市民団体「芦屋市民まつり協議会」実行委員長の秦さん。「資金難などから各地で花火大会が中止されていますが、次の世代にも、芦屋で花火を見る夏の思い出をつくってほしい。“まちのプライド”をかけて続けたいですね」。警察と警備計画を立てたり、ホテル竹園芦屋と有料席の弁当を考えたり、“一緒につくる”が芦屋流。「何カ月間も地道な調整を重ね、大変だと感じることも。それでも花火が上がった瞬間、まあいいかとなります」。うれしかったのは、祭り後の清掃時に砂浜に残されていた「今年もありがとう」の言葉とか。街の声が原動力になっているようです。出典:リビング兵庫Web▲今年は7月27日(土)に開催。チケット予約など詳細はWebできになったら…芦屋市民まつり協議会のWebはこちら-----------------------------------------【神戸市・妙法寺】古民家コトノハ代表出典:リビング兵庫Web▲結婚を機に妙法寺での暮らしをスタート。出産を気に「子育て中のママの働く」を応援するソーシャルビジネスへ参画。2022年に「古民家コトノハ」をオープン古民家カフェを拠点に“交流”で課題を解決ソーシャルビジネスの経験をいかしつつ「夫のビジネスである飲食との“両輪”で活動を」と、築200年の古民家を改装してカフェ「古民家コトノハ」をオープンさせた小田さん。高齢者が多い地区と、ファミリー層が多い新しい住宅地がある妙法寺で、子育て中の人や子どもの支援になり、さらに地域の高齢者とつなぐ場にしたいと「コトノハ」を拠点にさまざまな活動を展開中。そのひとつが、敷地内にある竹林で伐採体験や竹炭作りのワークショップなどを行う“竹林整備”。人が集うことと同時に、地域の課題のひとつである「放置竹林」の解消も目的としています。ほかに、「こども食堂」や「中学生の自習室」の運営も。カフェは、さまざまな交流によって、みんなが地域の課題に気づき解決するきっかけの場となっているようです。今後は、それぞれの活動が自分の手を離れて、広がり続いていくことが願いだそう。出典:リビング兵庫Web▲切った竹を活用する“竹灯り”イベントには幅広い世代が参加きになったら…古民家コトノハのWebはこちら-----------------------------------------【神戸市】神戸ファーマーズマーケット事務局出典:リビング兵庫Web▲「ファーマーズマーケット」のほか、実店舗「ファームスタンド」、「マイクロファーマーズスクール」などの運営にも携わるつくる人も消費する人も“お互いさま”地産地消のプラットフォーム「EAT LOCAL KOBE」の活動のひとつ、「KOBE FARMERS MARKET」を主催。「神戸は生産者が多いまちなのに、地元の人に知られていない」と2015年に活動を始めた小泉さんたち。事前に視察に行ったアメリカ・ポートランドで「毎週やる、木の下でやる」というアドバイスをもらい、三宮の東遊園地をメイン会場に、毎土曜に開催しています。生産者から直接購入するため「雨が続くと、あの農家さんの畑は大丈夫かなと気になります。そうやって、農業や漁業が“自分事”になれば。消費することが地元の農業の継続につながる。“お互いさま”と気づいてほしい」と小泉さん。スタートから9年を経て、朝市に行けない人のための実店舗、農家を目指す人のためのスクールなど、幅広く展開。今後、各地でやりたい人が運営できるようにノウハウを公開するそう。出典:リビング兵庫Web▲“神戸っぽさ”が特徴の、オシャレな雰囲気の朝市きになったら…【インスタグラム】EAT LOCAL KOBE-----------------------------------------【神戸市・須磨】BOKETTO代表出典:リビング兵庫Web▲近藤英夫建築研究所代表取締役、京都芸術大学非常勤講師。建築家として“人が集まる場”を常に意識。須磨在住18年オフシーズンの海岸で“ぼけっと”楽しむ地元在住の5人が「冬の須磨海岸を見てほしい」という思いで始めた「BOKETTOマルシェ」。“ゆっくり、しっかり、そっと、ちょっと、ぼけっと”をテーマに、昨年11月から開催しています。「須磨の人は、夏のビーチには寄り付きません(笑)。静かなオフシーズンに、地元の人はもちろん、須磨に来た人も、ぼけっと楽しめる場を…と始めました」と近藤さん。開催のたびに規模は大きくなり、3月は34店が出店。パンやスイーツなど飲食のほか、雑貨やワークショップのブースも。ゴミを出さないことを目指していて、エコバッグや容器の持参を呼びかけているほか、撤収の際にはみんなでビーチクリーンも。次回の開催は、5月12日(日)で、次のオフシーズンまでは“お休み”。会場の須磨海岸中央広場の東には、6月、水族館・須磨シーワールドがオープン。「今後は、須磨海岸一帯で盛り上がれるようにしたいです」。

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