【マイラーズC/追い切り診断】ソウルラッシュを超える「S」評価 「昨秋とは順調さで段違い」 さすがの厩舎力で勝ち負け必至

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■セリフォス

【中間調整】2歳時に重賞連勝を含むデビューからの3連勝。12月の朝日杯FSではドウデュースに半馬身差の2着に入るなど、早期から大活躍を見せている。3歳春シーズンはNHKマイルCで4着、安田記念で4着と大舞台で惜敗が続いたが、秋は富士S勝ちをステップにマイルCSでは1馬身1/4差の快勝。待望のGIタイトルをつかんでいる。昨年は安田記念で2着。秋は連覇を狙ったマイルCSが8着、香港マイルが7着と案外も夏負けの影響があり、本調子になかったようだ。

3度目の安田記念参戦の前哨戦として、今年はマイラーズCから始動することに。放牧先から栗東に3月22日に帰厩。27日に坂路14-14を出したのが初時計で、坂路とCWを併用して順調に時計を詰めている。1週前は中内田師が騎乗し、CW単走。序盤から飛ばし、大外を意識的に回したがラスト1F10秒9(一杯)とマークしたあたりはさすが。体を伸び伸びと使えていたのも好感。

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【最終追い切り】レース当週は川田騎手が騎乗。感触を確かめる程度の坂路単走。斜め前方にいる馬を仮想敵とし、序盤から気持ちを乗せて速いラップを刻む。最後まで楽な手応えを保ちながらも、ラストは2F24秒2とさすがの脚力を示した。

【見解】夏負けがあり、調整に難しさがあったという昨年秋のマイルCS時は帰厩後も強い負荷を掛け続けなんとか間に合わせたという調整内容だった。それが仇となったのか、本番では力みがあって8着。それを考えると今回は強く追ったのが2本。最終追いは坂路で微調整程度で済んでおり、順調さで段違いと言える。もちろん安田記念を見据えてキンキンの仕上げではないだろうが、前哨戦で恥ずかしくない状態まで仕上げるのがこの厩舎のスタイル。能力では抜けた存在だし、勝ち負けは必至だろう。

総合評価「S」

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著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター
【重賞深掘りプロジェクト】調教ライター。競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。UMAJINでは「競馬サロン」開設以前から毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。

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