【マイラーズC/追い切り診断】セリフォスに迫る「A」評価 重賞初挑戦も侮れない“鞍上と息ピッタリ”の伏兵とは?

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■ニホンピロキーフ

【中間調整】2014年のフィリーズRで2着に入り桜花賞にも進出したニホンピロアンバーの第3仔。昨年2月に小倉芝1800mの未勝利戦を勝利以降、地道に自己条件で走り続けてきた。馬体をぐんと成長させた昨年の秋からは、一層充実。休み明けだった京都芝マイルの2勝クラスを競り勝ち、準オープン初戦こそスタートでゴチャついて7着に終わったものの、続く飛鳥Sでエアサージュの2着、そして前走・関門橋Sで2馬身半差の快勝を収め、条件馬の立場に別れを告げた。

その後オープン入り初戦として、ひと息入れてマイラーズCへ進むことが決定。いきなり別定GIIへの参戦は陣営サイドが同馬の充実ぶりを信じているからだろう。短期放牧を挟んで3月31日に坂路14-14を出したのが中間の初時計。1週前のCW併せ馬ではオープン馬を外から追走、並び掛けると一気にスイッチを入れ相手を3馬身突き放しての先着を果たした。これがニホンピロキーフにとって初のオープン馬との併せ馬だったが、それをまったく感じさせない豪快なデモンストレーションとなった。

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【最終追い切り】レース当週は今回で7戦連続騎乗となる主戦・田口騎手が騎乗しCW単走。負荷は1週前で十分に掛かっており、今回は終い重点で調整程度の内容となった。序盤は抜群の折り合いで脚を溜め、直線半ばの見せムチで仕掛けられると一気に加速し弾けた。精神面でかなりいい状況にありそう。

【見解】1週前がその週の重賞に出走するオープン馬(アンタレスS出走のクリノドラゴン)を外を回ってねじ伏せ、時計も自己ベストタイをマークするという豪快な内容。陣営がGII参戦を決めたのも頷けるような攻め気配だった。最終追いは一転、メリハリを意識したものとなり、ここでは鞍上のピッタリ息が合っているところを見せた。一気の相手強化、久しぶりのマイル戦とハードルは高いが、平坦コース巧者でもあり、いきなりの好走があって不思議はない。

総合評価「A」

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著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター
【重賞深掘りプロジェクト】調教ライター。競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。UMAJINでは「競馬サロン」開設以前から毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。

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