地区全体で伝統守る 住民集い御詠歌奉納 福島県会津美里町・雀林の法用寺

御詠歌帳を持って合唱する地域住民

 福島県会津美里町雀林地区の住民は17日、法用寺で会津三十三観音御詠歌を奉納した。初めて地区住民約30人が一堂に集まり、御詠歌を詠んだ。

 御詠歌は先祖供養のため彼岸や葬式で詠まれる。住民や同寺によると、時代とともに御詠歌の文化が薄れているという。最近は、新型コロナウイルス感染の影響で詠まれることがほとんどなくなった。雀林地区には9つの組があり、それぞれ節の付け方や鐘の付き方が若干違う。各組が統一して詠うことで、地区全体で伝統を守っていく思いを強くしていこうと、合同による歌詠みを企画した。

 「会津の三十三観音めぐり」は2016(平成28)年に日本遺産に認定された。今秋には会津地域で日本遺産サミットが予定されている。雀林地区の二瓶正義さんは「御詠歌の伝統を後世に残していきたい」と話した。

 17日は法用寺の南無十一面観世音菩薩が御開帳された。

(会津版)

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