季節の節目を表す二十四節気（にじゅうしせっき）の一つ“清明”の入りを迎えた頃からゴールデンウイークの頃にかけて、沖縄県内各地で祖先の墓にお供え物をして供養する「清明祭（シーミー）」が行われます。
お墓の行事に“祭”という文字が入っていて行楽的な雰囲気もありますので、この1年に親族が亡くなった場合は、基本的にはシーミーは行いません。また、宮古島地方や八重山地方では、旧暦の1月の「十六日祭（ジュウルクニチー）」の方が盛大に行われます。
親睦深める大切な行事
シーミーは、沖縄独特の大きなお墓の前にビニールシートを敷き、親戚一同が集まって各家からお供え物や重箱料理を持ち寄って食べながら、ご先祖様や親戚の皆さんに近況を報告します。
子どもにとっては、自分と年齢の近い親戚の子どもと一緒に遊び、いとこのお兄さんやお姉さんからは優しくしてもらい、大人からはお菓子をもらい、まるでピクニックのような感覚です。私自身もシーミーは毎年当たり前の行事の一つでしたので、県外の方から見ると、お墓でごはんとは？という反応に衝撃を受けました。
シーミーを開催する日は、親戚一同の日程を調整するために週末が多く、この行事はゴールデンウイークの頃まで続きます。お墓のある道は「シーミー渋滞」と言われるほど、車の往来で混雑します。
週末の正午ごろの天気 外せません
沖縄では4～5月の週末の天気予報に関心が高まります。特にシーミーが行われる「正午ごろ」の天気は外せません。ただ、多少の雨でも「なんくるないさ」(意味:なんとかなるさ)と、雨予報で事前に日程を変更するのは、よっぽどでない限りほとんどありません。
シーミーの時期、沖縄地方は梅雨入り前となっています。沖縄地方の梅雨入りの平年値は5月10日ごろです。また、4月は台風の発生がまだ少なく、太平洋高気圧の張り出しも弱いため、台風が発生しても沖縄付近にはなかなか近づきません。4月の台風の発生の平年値は0.6個、沖縄への台風の接近数は0.0個となっています。
きょう19日は二十四節気の穀雨
4月19日（金）は二十四節気の“穀雨”です。穀雨は春の雨が百穀を潤すという意味で、この時期に降る雨は「百穀春雨」とも言われています。沖縄では季節はさらに進み、梅雨入りの準備期間になります。
24日ごろから「かなりの高温予想」
4月18日（木）に「高温に関する早期天候情報（沖縄地方）」が沖縄気象台から発表されました。沖縄地方は24日（水）ごろからかなりの高温になる予想です。沖縄地方の向こう2週間の気温は、暖かい空気が流れ込みやすくなるため気温が上がりやすくなる予想です。体調管理や農作物の管理にご注意ください。
（かなりの高温の基準:5日間平均気温平年差＋2.0℃以上）
ゴールデンウィークのスタートは
5月5日（日）にかけての那覇の天気と気温の予想を見てみましょう。
来週は4月22日（月）ごろから天気は下り坂でしょう。23日（火）の雨は早まる可能性があります。雨、風ともに非常に強まって荒れた天気となる恐れがあり、警戒が必要です。
その後も27日（土）ごろにかけて、沖縄付近は前線の湿った空気の影響を受けやすくなるため、不安定な天気にご注意ください。
大型連休スタートは、現在の予報では雲が広がるものの晴れ間がありそうです。5月スタートの最高気温は29℃まで上がる予想です。連休中のお出かけは強い紫外線から身を守る、こまめな水分補給などの熱中症対策をお願いします。
週末は天気急変に注意
今週末は、沖縄付近を覆っていた高気圧が離れて、湿った空気が流れ込む予想です。南風に乗ってジメジメした空気に包まれそうです。日が差すと一気に気温が上がるでしょう。沖縄の近海に雨雲があり、場所によっては一日の中でもコロコロ天気が変わりそうです。シーミーの予定の方は、急な天気の変化にお気をつけください。
崎濱綾子
気象予報士/防災士（株式会社ウェザーマップ）
沖縄県宜野湾市生まれ。ミスはごろもとして地元の観光大使を務める。RBC琉球放送でラジオ・テレビのリポーター、QAB琉球朝日放送で気象キャスターを担当。2005年に沖縄初の女性気象予報士となる。2005～2016年3月までRBC琉球放送の夕方のニュース番組で月～金曜日の気象キャスターを担当。2016年4月から東京の本社で勤務。Yahoo!ニュース動画出演・記事執筆を担当。Yahoo!ニュースエキスパート。好きな天気現象は、夏至南風（カーチーベー）。
