悪質“口コミ”でグーグルを集団提訴 スーパーでは“口コミ”の誹謗中傷で従業員が退職も 相談件数は5年で2倍

「グーグルマップ」への悪質な“口コミ”で、医師ら63人がグーグルに対し損害賠償を求める集団訴訟を2024年4月18日(木)に起こしました。
スーパーではネット上の“口コミ”で誹謗中傷され従業員が退職するケースもあり、相談件数が5年で2倍に増加したとのデータもあります。

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グーグルに140万円の損害賠償 勝手に閉業も・・・

集団訴訟した医師らは、インターネットの地図サービス「グーグルマップ」の“口コミ”に、悪質な内容を投稿されても、グーグルが十分な被害防止や、救済措置を取らず、利益を侵害されたなどと主張。あわせて140万円余りの損害賠償を求めています。

「グーグルマップ」では地図上で店舗や施設名などを検索すると、“口コミ”が投稿されていて感想などを見ることができ、マップ上の施設について、誰でも自由に意見を投稿し閲覧することができます。

今回、グーグルを集団提訴した医師らが訴えた“口コミ”の内容は・・・

「『診察してもらえなかった』という口コミ記載だが、事実は怒って患者が出て行ったという流れだった」や・・・

「星1つの投稿は全く身に覚えのない内容ばかりで、思い当たる相手もいない」などというもの。

グーグルマップを巡っては、ほかにも勝手に閉業したことにされたり、

住所が太平洋の真ん中に置かれたケースもあったといいます。

“口コミ”の相談件数が5年で2倍に増加 誹謗中傷され従業員が退職するケースも

スマホなどで、簡単に検索できる“口コミ”。街の人に話を聞くと・・・。

口コミを利用している人:
「ネットの口コミ見ます。病院も店も美容室も全部見ます。」

口コミを利用している人:
極端に口コミが低いとそれは見ちゃいます。星1とかが多いとやめよっかと思いますね。」

店選びの参考にしているという声が多く聞かれました。

総務省の「違法・有害情報相談センター」によると、この“口コミ”投稿に関する相談件数が、2018年は128件だったのが、2022年には249件と、ここ5年でほぼ2倍に増加したとのデータもあります。

大阪市にあるスーパーのオーナー:
(従業員の)笑顔がないとか態度が悪いとか人格を否定するような言葉で個人を特定して書き込んでいる場合もありました。

話を聞いたのは、グーグルマップに900件以上の口コミがある大阪市内のスーパーのオーナー。
“口コミ”で、ある従業員が誹謗中傷され、退職したケースもあったといいます。オーナーは、「悪質な口コミで来店の機会を失っているところはある」と“口コミ”による悲痛な胸の内を明らかにしました。

“悪質口コミ”の削除は「事実上難しい」

一方、グーグルマップの口コミには、評価された側が、投稿者にコメントを返すことができる機能がありますが、今回グーグルを訴えている医師らは・・・。

原告の医師:
医療機関に関しては守秘義務があるので患者さんについては何も言えないので、こちらは反論ができない状態になっていて、一方的なサンドバックにみたいな状態になっています。

また、会見を行った弁護団によると、グーグルマップについては、アメリカ本社にしか掛け合う窓口がなく、事実上削除は難しいと主張しています。

口コミなどの問題に詳しい梅澤康二弁護士によると、グーグルマップの口コミは、無断で個人情報をさらすような投稿などは、削除の対象とされていますが、現時点では店やサービスの品質に関する批判的な投稿は、削除の理由にはならないとしています。

そのため、削除依頼をしても「裁判所の命令」が必要とされることが多く、少なくとも1カ月以上、費用は20~30万円ほどかかるといいます。

グーグル「24時間体制で不正レビュー削除」

グーグルは、「24時間体制で企業プロフィールを保護し、不正なレビューを削除しています。個別の案件に関しては、コメントを差し控えさせていただきます」としています。

(『めざましテレビ』 2024年4月19日放送より)

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