“トイレ危機”が深刻化 富士山周辺の観光地 増設に乗り出す自治体も 山梨県

コロナ禍前を上回るインバウンド需要の増加で、富士山周辺の観光地ではトイレの混雑が激しさを増しています。

河口湖周辺のイベント会場では長蛇の列が問題となる一方、富士吉田市では公共トイレの建築を進めるなど対応に追われています。

日本政府観光局の発表によりますと、先月の訪日客数は308万1600人で、コロナ禍前の2019年3月を11・6%上回り初めて300万人を突破しました。

こうした中、県内の富士山周辺の観光地ではトイレの混雑が問題視されています。

桜と富士山の共演が楽しめる「富士・河口湖さくら祭り」の会場には、常設と仮設合わせて7台のトイレが設置されています。

北河口湖観光協会によりますと、大型バスなどのツアー客が一斉に訪れると、トイレに20人以上が並ぶ時もあるということです。

特に女性用トイレの混雑が目立つといい、対策の必要性を訴えます。

北河口湖観光協会 大町悦章 部会長

「外国人観光客も日本人観光客も必ずトイレは寄るところ。いくらきれいな富士山を見ても(トイレ混雑で)いい思い出になりにくい。富士河口湖町をはじめとしておもてなしの心で協力していく」

一方、すでに対策を進めている自治体もあります。

レトロな雰囲気の商店街と雄大な富士山を撮影できる富士吉田市の「本町通り」付近では混雑の緩和を図ろうと、駐車場とトイレを完備した施設の建設が進められています。

施設は6月中の完成を予定しているほか、さらに市内の別の場所にも公共トイレや駐車場の増設が検討されています。

富士吉田市は「インバウンド需要の増加でトイレへの苦慮が懸念されるため、対策を進めていきたい」としています。

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