中国投資家、転換社債の購入拡大 割安感や転換権に注目

[上海/シンガポール 19日 ロイター] - 中国の投資家が転換社債の購入を増やしている。国内では債券利回りが記録的な低水準にあり、株式市場の先行きも不透明。転換社債は価格が割安で、将来の株式への転換を踏まえると投資妙味があるとの見方が浮上している。

LSEGのデータによると、現在、3年物AA格社債の利回りは2.5%だが、国内の転換社債の約30%は最終利回りが2.5%を超えている。

アナリストによると、転換社債は年金基金など機関投資家が大口の買い手になっていないため、割安で高利回りを維持している。

BNPパリバ・アセット・マネジメントのマルチ・アセット・クオンツ・ソリューション担当ポートフォリオマネジャー、ウェイ・リー氏は「転換社債のリスク・リワード・レシオは現在、2021年以降で最高水準にある」と指摘した。

中国本土の伝統的な高利回り資産である不動産会社や地方融資平台の発行する債券は規制強化で供給が制限されている。

転換社債を保有すれば、株式市場が回復した場合に有利な立場に立てる。

CSI転換社債インデックスは今年は横ばいで、上海と深センの株式市場に上場する有力企業300銘柄で構成するCSI300指数をわずかにアンダーパフォームしている。

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