岩手県内では4月に入って、下草などを焼く林野火災が相次いでいて火に巻き込まれて死亡するケースも起きています。この時期に火事が相次いで発生する理由や火の取り扱いで注意する点を取材しました。
4月13日、滝沢市大石渡(おおいしわたり)の原野を焼く火事が発生し、火は約2時間後に消し止められましたが、77歳の男性が亡くなりました。枯れ草を焼いていたものが周囲に燃え移って巻き込まれた可能性があるとみられます。
消防によりますと、4月1日から18日までに県内で発生した林野火災は9件で1人が亡くなっています。また、去年の同じ時期には5件の林野火災が発生し、1人が死亡しています。林野火災の件数としてはカウントされていませんが、花巻市で4月6日と15日に発生した草地や林を焼く火事で合わせて2人が亡くなっています。
例年この時期に火事が多発する理由を盛岡消防本部予防課の佐藤雅史課長補佐に聞きました。
(盛岡消防本部予防課 佐藤雅史課長補佐)
「野焼きを余して林野の方に移ってしまったりとかがこの時期多いと思います」
野焼きは廃棄物処理法で原則禁止とされていますが、農作業の一環として事前に自治体や消防へ届け出を行うことで例外的に認められている地域もあります。
しかし、注意が必要なのは野焼きだけではありません。
(盛岡消防本部予防課 佐藤雅史課長補佐)
「林野火災の要因としてはこの時期からだんだん山に入られる方が多くなってきますので、山の中に入った方のタバコ火などが原因として多いです」
県や消防などでは山火事が発生しやすい3月から5月までを「山火事防止運動月間」に定めて防火意識の高揚を促しています。消防では改めて風の強い日や空気が乾燥している日は燃え広がる恐れがあるため、野焼きなどの火の取り扱いに注意を呼びかけています。