埼玉初の補助拡大、住民以外も対象に!女性をサポートする三芳町、産後ケア費用を支援 他市町村から三芳に里帰りする女性、三芳から他市町村に里帰りする女性も対象になった さらに無料相談の訪問支援も実施へ

三芳町役場=埼玉県三芳町藤久保

 埼玉県三芳町は新年度から、これまで住民だけを対象に実施していた出産後の女性をサポートする産後ケアの費用を一部補助する事業について、他市町村から同町に里帰りしたり、同町から他市町村に里帰りする女性にも拡大した。同町は「子育てで幸せになってほしい」とし、「こども家庭センター」をこども支援課内に設置し、産後ケアなど母子保健事業と子育て支援など児童福祉事業の連携や強化を図る。

 産後ケアは出産後に育児への不安や心身の不調がある母子に対し、育児相談や授乳や沐浴(もくよく)の指導をしたりする。国の指導を受けて市区町村が実施しており、病院や助産所の空きベッドなどを活用する「宿泊型」、施設を利用する「デイサービス型」、利用者宅に担当者が出向く「訪問型」がある。国は2024年度末までの全国展開を目指している。

 町によると、県内自治体で産後ケアを利用した際の料金補助事業の対象を住民以外に拡大したのは初めてという。「子育てで幸せになる町づくり」の一環で、同町は「他市町村や三芳町からの里帰りは元々、三芳町の住民であり、子育てで幸せになってほしいという願いを込めている」と話す。

 同町はこれまで、ショートステイ(宿泊)やデイサービス(日中のみ)などの産後ケアを利用した場合、住民は料金の1割を負担していたが、4月からは5回を上限に利用1回につき2500円を補助する。他市町村から三芳町に里帰りした場合、利用料の1割の自己負担で利用できる。

 三芳町から他市町村に里帰りし、産後ケア事業を利用する場合、ショートステイ型は1日1万8千円、デイサービス型は1回1万5千円、アウトリーチ(1日2時間を上限に助産師が訪問する)型は1回1万450円をそれぞれ上限に補助する。

 同補助事業費の半分は国の補助金で賄うが、同町は24年度一般会計予算で約234万円を計上している。

 また、同センター設置に伴い家事や育児などに不安や負担を抱えている、養育支援が必要な家庭を対象に産前産後の生活支援員「ドゥーラ」を派遣し、無料で相談に応じる「子育て世帯訪問支援事業」を新たに実施する。

 問い合わせは、三芳町こども支援課(電話049.258.0019)へ。

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