「年金65歳まで払って」5年延長案に岸田首相「私の意思は反映されてない」と逃げの一手…パックンは「フランスなら暴動」と疑問視

パックンも疑問視(写真:つのだよしお/アフロ)

4月18日、お笑いコンビ「パックンマックン」のパックンことパトリック・ハーランが、『Live News イット!』(フジテレビ系)に生出演。政府の年金改革案について持論を語った。

厚生労働省は16日、年金制度の改革に向けて議論の土台となる5つの項目を発表。そのなかで物議を醸しているのが、年金納付期間の5年間延長案だ。

自営業者らが加入する国民年金の保険料について、納付期間を現在の「60歳までの40年」から「65歳までの45年」に5年間延長した場合の試算を検証する。単純計算でいえば、5年間納付期間が延長されれば、1人100万円の負担増となる。

番組ではメインキャスターを務める青井実アナが街の声を取材。「(人々の)声を聞くと、『しょうがないんですよね』という姿が印象的で、納得していないけど、怒るというより、とにかくしょうがないんだ、と(あきらめている)」と総括した。

青井アナの話を聞いたパックンは、「苦笑とはいえ、みんなよく笑顔で受け入れてくれるんですね」と驚いた様子でコメント。

そのうえで、「これ、アメリカだったら大きな反発、フランスとかだったら暴動が起きるくらいの条件だと思うんです。ずっと支払っていたときの約束と、もらうときの約束が違うじゃないかと。みなさん、素直なのはいいですけど、もう少し声をあげていいと思いますよ」と、少し声を荒らげながら、おとなしすぎる日本人に呼びかけた。

たしかに、2023年3月、フランスで年金受給開始を62歳から64歳に2年遅らせる改正法案が強行採決されると、100万人規模の抗議デモが発生し、警察とデモ隊が衝突。一部で警察署が放火されるなど、暴動にも発展した。

SNSでは、パックンが「もう少し声をあげていい」と呼びかけたことに、共感が多く寄せられている。

《確かに去年のフランスの年金改革反対デモは凄かった》

《本当に日本人は静か過ぎますよ! 何故ここまでされて黙って燻っているのか?他の国から見たら不思議です》

《これってさ、先を見れなかった国が国民に謝罪をすべき。なんでか、謝らないんだよ》

同日の衆院本会議で、岸田文雄首相は、納付期間の延長について厚労省が試算することに対し、こう答弁した。

「年金制度改正の検討の参考とするために、2019年の制度改正の際と同様の試算をおこなうものであり、方向性についてなんら予断を与えるものでもなければ、私の意思が反映されているものでもない」

まるで「自分には関係ない」と責任逃れをしているようだ。

国民年金の保険料は、すでに2024年度は月460円増、2025年度は、さらに月530円増と、月の負担が2年後に1000円増となることが決まっている。

厚労省は、2024年夏に検証結果を公表。年末までに実施の可否を決めるというが……そのとき、岸田首相は国民にどう説明するのか。

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