川崎市制100年、新曲で盛り上げ 演歌歌手 吉村明紘さん   川崎市川崎区・川崎市幸区

福田市長(右)とともに記念写真に納まる吉村さん=吉村さん提供

演歌歌手の吉村明紘さん=川崎区在住=が川崎をテーマにした『KAWASAKI』(兼上佳子作詞、岡千秋作曲、猪股義周編曲)をリリースした。「川崎は第二の故郷。市制100周年をこの歌で盛り上げたい」と張り切る。

福岡県出身の吉村さんは21歳で上京し、25歳で吉村章でデビューした。上京当初、大都会の東京になじめずにいた中、師匠である歌手の津田耕治氏=故人=の犬の世話で多摩川の河川敷に訪れたのが、川崎との接点だった。「故郷の福岡を思い出すような光景だった」と振り返る。

その後、住まいを中原区に移転したが、バブルがはじけ、吉村さんは所属していた事務所をやめることにもなったという。「5年間冷や飯を食った」という吉村さんだが、その間、新丸子や武蔵小杉界隈のスナックやカラオケ居酒屋などをまわって営業活動に勤しんだ。有名歌手のヒット曲を歌い「常連のおじちゃん、おばちゃんたちにかわいがってもらった」と懐かしそうに振り返る。「川崎の歌を歌ってほしい」とのリクエストはその時からあったが、「当時はリリースする力もなかった」。「港町ヨコハマの歌はたくさんあるのに、川崎はない」と忸怩(じくじ)たる思いをしていたと明かす。

デビュー35周年の節目に完成した『KAWASAKI』は、若い人たちに親近感を持ってもらいたいとの思いを込め、英字表記にした。その結果「バイクの『KAWASAKI』のような感じにもなった」と吉村さんは嬉しそうに語る。

吉村さんはコロナ下で住まいを川崎区に移転するなど、心機一転して歌手活動に励み、今年初めには福田紀彦市長を表敬訪問。1996年から続ける川崎日航ホテルでのディナーショーでもこの歌を披露する予定だ。

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